2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

僕の彼女はサイボーグ

監督:クァク・ジェヨン「猟奇的な彼女」の監督だけあって、ドSの彼女とドMの彼氏という話の作りは心得ている。アホな少女マンガのような前半はかなり面白かった。(特にケーキに顔を押し付けるとことか)。このままアホなコメディで突き進んでほしかった…

夕暮れのとき

監督:ジャック・ターナー「ファーゴ」や「シンプルプラン」を思わせるフィルムノワール。アルド・レイのタフガイぶりがかっこいい。また悪役二人組も個性的だ(どことなく「ファーゴ」のS・ブシェミとP・ストーメアに似ている気も)。そして終盤の雪原の…

ショックプルーフ

監督:ダグラス・サークフィルムノワールという扱いだが、どっちかというとメロドラマ。サスペンスを撮ったつもりでも、メロドラマにしてしまうのはダグラス・サークがメロドラマの達人だからか。保護観察官が仮釈放された女に惹かれていくという許されざる…

息子の部屋

監督:ナンニ・モレッティ息子が事故で亡くなり、残された家族の再生のドラマ。監督のナンニ・モレッティ自身が主演しており、役者としても違和感のない演技っぷり。最愛の者を失った悲痛な叫び、そして後悔、あの時ああしていればという思いが切実に伝わっ…

影の車

監督:野村芳太郎松本清張サスペンス。サスペンスとしての恐さはほとんどない。子供の恐さをもっと強調してもよかったのかなあとは思うのだが、個人的にはこの映画はサスペンスよりも不倫映画として楽しめた。何より愛人役の岩下志麻が魅力的で、加藤剛がこ…

上海から来た女

監督:オーソン・ウェルズオーソン・ウェルズの俳優としての存在感と監督としての剛腕ぶりが表れた作品。ただ今観るとミステリーとしての驚きはあまりない。それと話の展開が大雑把というかいい加減というかちょっと雑(まあ昔の映画なんてみんなそうだが)…

飾窓の女

監督:フリッツ・ラングフィルムノワールのムード漂うサスペンス。いいねえエドワード・G・ロビンソン、この映画の彼はお茶目です。まあ内容自体は平凡なサスペンスではあるが、このオチが絶妙というか微妙というか。。。今の時代このオチをやったら大ひん…

きみにしか聞こえない

監督:荻島達也乙一らしいファンタジーだが、なんだこの映画は「イルマーレ」にそっくりではないか。。。最初うじうじした登場人物たちに乗れなくて困った。また携帯で通信するというならまだ許せるが、いつの間にか携帯からテレパシーに変わりなんか強引。…

ザ・クリーナー 消された殺人

監督:レニー・ハーリンサミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス、ルイス・ガスマンと役者の顔ぶれは最高だが、残念ながら犯人に驚きがなかった。というかこのキャスティングでは観る前からバレバレだと思うのだが。。。特殊清掃人という職業を主人公にし…

TOKYO!

●インテリア・デザイン 監督:ミシェル・ゴンドリー藤谷文子は予想以上に良かったのだが、加瀬亮の芝居が鬱陶しく、このカップルのうじうじした恋愛を延々と見せられたらたまったもんじゃないなあと思っていたら、後半なんじゃそりゃな展開。でもよく考える…

シティ・オブ・メン

監督:パウロ・モレッリブラジルのスラム街を舞台にしていることからも、「シティ・オブ・ゴッド」のような貧困と暴力の映画というのは分かっていたので、話は予想通りのものであり目新しさはないが、ブラジルのスラム街独特の地形や映像に力があるので、つ…

サボテンの花

監督:ジーン・サックスビリー・ワイルダー映画の脚本家として知られるI・A・L・ダイアモンド脚本なので、これだけ面白く粋なコメディなのも納得だ。ウソから生まれた恋というコメディとしてはお馴染みのパターンではあるが、まさにお手本のような映画で…

まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響

監督:ポール・ニューマンしかしなんちゅうタイトルだ。ポール・ニューマンの監督作だが、この妙なタイトルに興味を持ち観てみた。おそらく舞台劇の映画化だろうが、ここに大きなドラマは存在しない。母親と娘二人の小さな町の小さな家族の話だが、その静か…

ミステリー・ツアー

監督:ジェイ・チャンドラセカール孤島を舞台とした「スクリーム」で、このジャンルはもう見飽きた感あり。監督のジェイ・チャンドラセカールとその仲間内で撮ったもので、観客を楽しませるよりも自分たちが楽しんじゃってる。はなから恐さなんか期待してい…

デトロイト・コップ・シティ

監督:レス・メイフィールドまあ映画としては平凡なものではあるが、サミュエル・L・ジャクソンとユージン・レヴィのデコボココンビを楽しむ映画としてはまあまあの出来。ボケとツッコミの役割がしっかり出来ているので、適度に笑える。特にユージン・レヴ…

落語娘

監督:中原俊こういう落語を題材にした映画は、落語を演じる役者の演技力に懸ってくる訳だが、女落語家のミムラの芝居はなかなか良く、じゅげむの早口などかなりのがんばりが見られて見直した。また師匠の津川雅彦はもはや名人芸の域で、ひょうひょうと余裕…

歩いても 歩いても

監督:是枝裕和非常に日本人的なある一家の一日を描いた何も起こらない話。しかしこの一日が家族一人一人の心の中に、何か大きなものを残したようなそんな家族の肖像映画。実家に帰省した時に、誰でも目にするであろう日本の茶の間の姿を切り取っていて、何…

戦場からの脱出

監督:ヴェルナー・ヘルツォークベトナムで捕虜になった男の実話。前半はベトコンに引きずりまわされ、後半の脱出劇では過酷なサバイバル生活(ウジ虫食ってた!)とこういう自分を痛めつける役はクリスチャン・ベイルにはよく合っている。また捕虜の一人ジ…

ブラインドネス

監督:フェルナンド・メイレレス目が見えなくなった人間たちを施設に閉じ込めたらどうなるかという、極限状態になった人間たちの狂気と依存してきた社会への警告を描いたパニック映画。まあ仮に目が見えていても、人間を閉じ込めたら結局同じことが起きるの…

アバター

監督:ジェームズ・キャメロン初のIMAX&3D観賞。大画面の映像は迫力満点だったが、やっぱり3Dは慣れんなー。さて内容だが、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」と「風の谷のナウシカ」を足したような作品で、キャメロンは両作品にインスパイアされたので…

スミス都へ行く

監督:フランク・キャプラフランク・キャプラらしいアメリカの良心を描いたクラシックな名作。最初頼りなさそうで、ただのピエロだったジェームズ・スチュワートが実直なまでに正義を貫き、決して失ってはいけない誠実さや誇りというものを訴えた最後の演説…

X-ファイル:真実を求めて

監督:クリス・カーター宇宙人とか超常現象とかそんな話だと思ったが、内容はテレビの延長上のようなもので、映画化の割にはスケールが小さい。映画を観る前は、もう「X-ファイル」はいいよと思ったが、久しぶりにモルダー&スカリーコンビを見ると、いやい…

ブーリン家の姉妹

監督:ジャスティン・チャドウィック昼メロばりのドロドロの愛憎劇。これでもかと言わんばかりの権力と嫉妬と裏切の物語に、王族で生きるのも楽じゃない。注目の脚本家ピーター・モーガンが脚色しているので、沼地にずるずると足が引っ張られるような展開は…

マンデラの名もなき看守

監督:ビレ・アウグストネルソン・マンデラの歴史を真面目に撮っても面白くないので、看守の目を通してマンデラという人物に迫るというアプローチは、退屈になりがちな伝記映画に工夫が見られる。南アフリカがアパルトヘイトの時代、看守の妻がマンデラをテ…

いのちの食べかた

監督:ニコラウス・ゲイハルターナレーションや音楽が一切なく、淡々と食物が作られる過程を追ったドキュメンタリー。何一つ説明もない映像ゆえに、観ているこちら側もその余白にいろいろと考えさせるものがあった。人間が生きていくために、大量の生命が作…

ハンティング・パーティ

監督:リチャード・シェパード実話らしいが何か実話の重みみたいなものが伝わってこなかった。3人のジャーナリストたちがボスニアの大物戦争犯罪人を捕まえるという、どこまでがホントでどこまでがウソなのかよく分からなかったが、本当の真実なんてものは…

ダニエラという女

監督:ベルトラン・ブリエ男なら誰もが一度は考える、男の夢とも言える妄想話が現実となる前半は、アホなコメディとしてそれなりに面白かったが、後半の展開が意味不明で、もう何がしたいんだか訳わからん。モニカ・ベルッチという素材を監督が妄想全開で料…

霧の旗

監督:山田洋次松本清張のサスペンスだが、これはサスペンスの皮を被った悪女映画だ。白黒映像が美しく、内容も古さを感じさせない一級品であり、人情系の映画のイメージがある山田洋次だが、こんな復讐譚も撮れるとは流石である。事件の真犯人が他にいるよ…

カンフー・パンダ

監督:マーク・オズボーン、ジョン・スティーヴンソンこれは面白い!カンフーアクションとアニメーションの相性が抜群で、アニメだからこそできる華麗なカンフー技の数々が見ていて楽しい。特にポーと師匠の修行のところは、アクションと二人の漫才のような…

レッドクリフ Part I/Part II ―未来への最終決戦―

監督:ジョン・ウー三国志は全く知らない人間なので、そういう意味ではいい勉強になった。パート1,2通して諸葛孔明が活躍していることからも、赤壁の戦いとは戦術の話といってもいいだろう。80万の戦力をわずか5万の戦力で勝った話なので、そのいろい…