2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ラ・ジュテ

監督:クリス・マルケル「12モンキーズ」の原案であり、フランスの伝説的中編映画。しかし今観ると、どおってことない。モノクロ映像はいいが、スチールカットがシロート臭い。確かに「12モンキーズ」も飛行場のシーンは覚えているが、それ以外は、はっ…

夕凪の街 桜の国

監督:佐々部清「夕凪の街」と「桜の国」の2つのパートと回想で、原爆の様々な後遺症を見つめている。「夕凪の街」の麻生久美子を主役とした、原爆によって苦しめられた家族の話は良かったが、現代パートの話に移ると、急に軽い映画に感じ、前半の雰囲気を…

ロルナの祈り

監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ ダルデンヌ兄弟は好きだが、これはいまひとつ乗れなかった。偽装結婚によって、自分さえ幸せになればいいような主人公の行動に、感情移入しずらかった。とはいえ主人公に幸せが待ち受けているとは…

インストーラー

監督:ジュリアン・ルクレルク記憶云々という設定は、SFでは有りがちで、何処かで観たことがあるような話で眠くなった。無機質な映像は「マイノリティレポート」のようで、それ自体は悪くないが、あっちと比べるとスケールが小さく、どうしてもちゃっちく…

青いパパイヤの香り

監督:トラン・アン・ユンはっきり言ってストーリー自体に大きなドラマはない。セリフも少なく、舞台劇のようなほぼ家の中だけに限定された話だが、草木や水、食べ物、骨董品、小動物などのオブジェクトと”間”によって、独特の映像詩を作り出している。この…

ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記

監督:ジョン・タートルトーブややスケールの小さい「ダヴィンチコード」で、トム・ハンクスをニコラス・ケイジに変えただけの代物。ちなみにパート1は観てない。ハーヴェイ・カイテル、エド・ハリス、ヘレン・ミレンと贅沢過ぎるキャストなので、下らない…

リリイ・シュシュのすべて

監督:岩井俊二チマチマした青春映画だと思い敬遠していたが、強烈なパンチを喰らわされた。10代の焦燥感や危うさ、怖いもの知らずの悪意と心の叫びをフィルムに焼きつけている。高校デビューではないが、夏休み明けに急に豹変するやつとか、そういう奴実…

白い馬

監督:アルベール・ラモリス先日観た「赤い風船」のアルベール・ラモリスの短編。作品としてはこっちの方が好き。モノクロ映像が圧倒的に美しい。そして白い馬がどこかユニコーンのような神秘的な雰囲気を醸し出していて、詩的である。躍動感ある撮影も見物…

夏時間の庭

監督:オリヴィエ・アサイヤスフランスのオルセー美術館の設立20周年を記念して作られた映画のようで、企画もの感が否めない。フランスの美術品を眺めるのが目的で、肝心のドラマはちょっと弱い。ラストの娘の友人たちに家を解放するとこなんて、全く必要な…

世代

監督:アンジェイ・ワイダアンジェイ・ワイダのデビュー作で、ポーランド映画の原点。ナチス支配下のポーランドの現実を映し出していて、荒削りな部分もあるが、見応えはある。この後、「地下水道」「灰とダイヤモンド」などの数々の名作を世に送り出す訳だ…

赤い風船

監督:アルベール・ラモリス短編映画。まるで生き物のように少年に寄り添う赤い風船。少年と風船の友情のような、ファンタジックな作品になっている。美しい街並みと純粋な少年、そして風船という小道具が風景画のような詩的さ感じさせる。今の時代ならCG…

チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室

監督:ジョン・ポール学園コメディとしては、良く出来ている。「キミに逢えたら!」で個人的注目のカット・デニングスは出てるし、ロバート・ダウニー・Jrやホープ・デイヴィスと初監督作にしては豪華キャスト。ただなんかこう話が小さいんだよなあ。そし…

天国はまだ遠く

監督:長澤雅彦人生の寄り道映画。田舎の風景とゆっくりとした時間の流れが癒される。ただ中盤から話の広がりがなかったり、チュートリアル・徳井の婚約者との話が上手い効果を上げてなかったりと、いまひとつな部分もあるが、それでも徳井の自然な演技がと…

DRAGONBALL EVOLUTION

監督:ジェームズ・ウォン最低水準を見積もっていたせいか、予想よりも楽しめたりする。ツッコミ所は満載だが、そのバカさを楽しんだので、これはこれでまあアリかな。そもそも実写化にはかなり無理があるので、よくがんばったとも言える。しかしあくまでも…

処刑人

監督:トロイ・ダフィーなぜ突然、処刑をするようになったのかがイマイチ不明だが、まあそんなことはどうでもいいことで、ひたすらカッコつけたアクションで、中身は薄いが所々で変なシーンがあるので、まあまあ楽しめた。ことの全貌を後から語るような編集…

ファイティング×ガール

監督:チャールズ・S・ダットンこれって実話だったんだ。メグ・ライアンが出ているせいか、軽いノリなので実話って感じがしなかった。本来ならメグ・ライアンのスターパワーで見せる映画なのだが、そのライアン自身にかつてのオーラがないため、なんか気の…

不都合な真実

監督:デイヴィス・グッゲンハイム実際のゴアの講演を見てるようで、地球温暖化について解りやすく説明。元副大統領のような影響力のある人が、全世界を飛び回って講演することに意味があり、とても立派だと思った。ただこの映画が作られて4年経つが、映画…

雪に願うこと

監督:根岸吉太郎馬と人間はドラマになりやすい。北海道の大地の自然や厩舎で生きる人達の生活も丁寧に描かれていて、役者たちも好演。また普通の競馬ではなく、ソリを曳く競馬“ばんえい競馬”という独自の競技を初めて知り、興味深いものがあった。根岸監督…

13日の金曜日

監督:マーカス・ニスペルリメイク版の方。殺人鬼に若者が一人一人殺されていくというお馴染みのパターンで、もはや誰が監督やっても大して面白くならないだろうが、それでもそれなりに善戦していると言える。導入部は結構いい。殺されキャラがたくさんいる…

オー!マイ・ゴースト

監督:デヴィッド・コープ幽霊たちが見えるという、どこかで観たことある設定だが、ハートフルなコメディに仕上がっている。主役の英国コメディアンのリッキー・ジャーヴェイスは、どちらかと言えば地味だし、主役をはるにはちょっとスター性が欠けるが、独…

マーニー

監督:アルフレッド・ヒッチコック幼い頃のトラウマというテーマの割には、その原因に至るまでの間に随分と間延びしてしまっていて、正直長すぎる。ティッピー・ヘドレンの正体が元雇い主にばれるかどうかなど、もう少しサスペンスを盛り上げてもいいところ…

レイン・フォール/雨の牙

監督:マックス・マニックス日本版「ボーン・アルティメイタム」をやりたかったのかな。無難には作られているが、なんかこう光るものがない。オチもふーん程度のものだし。。。椎名桔平も長谷川京子も役をものにしているとは言い難いが、椎名の英語は結構良…

ミッション

監督:ローランド・ジョフィ20年ぐらい前から気になってはいた映画で、ようやく観れた。最近見なくなったが、デヴィッド・リーン映画のようなスペクタクル巨編。デ・ニーロ、ジェレミー・アイアンズの静かな中にも力強い芝居で、作品に風格を与えている。…

アマルフィ 女神の報酬

監督:西谷弘織田裕二、イタリアロケ、サラ・ブライトマンと如何にもフジテレビ制作な内容。イタリアの観光映画みたいで、バチカン観光映画だった「天使と悪魔」のようだ。悪評ばかり聞いていたが、普通に観れるものにはなっている。防犯カメラを元にした話…

ROOKIES -卒業-

監督:平川雄一朗TVドラマの映画版。TVは少し観たことあるが、映画版はテレビの延長ぐらいのもので、映画化するほどのもんでもない。試合のシーンが長すぎて間延びしてしまっているので、試合よりも、もっと不良たちのドタバタを観たかった。映画として…

劔岳 点の記

監督:木村大作山が主役の映画。四季を彩る様々な日本の山の表情が美しく、やはりそれだけで画になる。過酷なロケだったんだろうし、実際の測量士たちもそれは苦労したんだろう。しかし意地悪な見方をすると、意外と簡単に登ったような印象で、エベレストじ…

ハゲタカ

監督:大友啓史TV版は観ていたので、人物の相関図は問題なし。ちょっと前に世間を騒がせた敵対的買収などの事件、今この映画を観ると、あれは随分と昔のことのように感じ、ちょっと時期を逸した感あり。TV版は結構面白かったが、映画版はテレビ版の延長…

エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?

監督:アレックス・ギブニーアメリカの巨大企業エンロンの崩壊を追ったドキュメンタリー。粉飾決算、インサイダー取引、多角化経営、政界への興味等、これって日本の某IT企業をみてるようで、全く同じようなことがアメリカでも起こっていたのね。。。実態…

路上のソリスト

監督:ジョー・ライト音楽の素晴らしさを伝えたいのか、友情物語なのかテーマがはっきりしない。それに路上生活や精神的病といろいろな要素が話を散漫にしてしまっている。ドラマとしても淡々としすぎて盛り上がりに欠け、ちょっと眠くなった。悪い映画では…