2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

息もできない

監督:ヤン・イクチュン過剰な暴力や口汚く罵りまくる主人公には辟易する。愛情を受けずに育ってきたので、仕方がないという言い訳は通用しない。こんな奴が近くにいたら迷惑極まりないが、父から子、そして部下へと続く暴力の連鎖が生まれる過程は、よく捉…

フィッシュストーリー

監督:中村義洋愛すべきフィッシュストーリー(ホラ話)。時空を超えた奇跡を、凝った構成で見せる伊坂幸太郎らしい話で、音楽が世界を救うという青臭いテーマだが、それに真剣に向き合っているところが憎めない。また彗星の衝突ってのが、バカっぽくていい…

無頼の群

監督:ヘンリー・キング4人の男たちに、妻を殺された男の復讐の旅というだけでは、よくある復讐物であるが、実はそんな単純な話ではない。終盤に明らかになる真相に、この復讐は何だったんだと釈然としないものがある。悪人を殺したと正当化できるが、本来…

パリより愛をこめて

監督:ピエール・モレルアクション映画に、このタイトルはねえだろう。非常に中身のないアクションに、さすがリュック・ベッソン。途中まではホントに何がしたいのかさっぱりで、ピエール・モレルはアクション監督としての実力は認めるが、この脚本じゃあど…

わたしを離さないで

監督:マーク・ロマネクせつないSF。こういう話は好きである。定められた運命を受け入れつつも、それでもひとつの可能性に賭ける姿が何とも切ない。幼小時代から続く、少年少女たちの関係性や、イギリス田園風景にSF的要素を入れた奇妙な設定など、物語…

トゥルー・グリット

監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン結論から言うと、オリジナルの方が上である。オリジナルはもっとじっくりと描いていたのに対し、今回はうわべだけで、深みがない。評判良かったし、コーエン兄弟はもっとやれる監督なので期待したのに、予想以…

グッドナイト&グッドラック

監督:ジョージ・クルーニー“赤狩り”が吹き荒れた50年代に、テレビを通して闘ったテレビマンたちの物語。全編モノクロ映像が渋い。当時の抑圧された恐怖やドラマ性がもう少し欲しかったが、ドキュメンタリー風な撮影や役者たちの好演により、退屈せず味の…

アーマード 武装地帯

監督:ニムロッド・アーントル強盗映画としての新味は特になし。ちょっとしたアクシデントから、計画が破綻していく話の作りはまあまあだが、取り立てて褒めるとこも無い。役者もマット・ディロン、ローレンス・フィッシュバーンと、この手のB級映画の常連…

キンキーブーツ

監督:ジュリアン・ジャロルド英国お得意のフルモンティ系のコメディ。この手のイギリス製コメディに弱いんだよなあ。。。実話を基にしてるそうだが、かなり脚色してるんだろうな。主人公のジョエル・エドガートンがスターっぽくなく、フツーなとこが良い。…

クォ・ヴァディス

監督:マーヴィン・ルロイキリスト教万歳ぶりに、やや興ざめするが、大作ローマ史劇としては見応え十分の力作。「ベンハー」や「十戒」などにも引けを取らない、まさにこれぞスペクタクルという内容。約170分の作品より、当時の宗教観や奴隷制度、暴君ネ…

ソラニン

監督:三木孝浩明日に希望が見い出せず、将来に不安を感じている今の世代の閉塞感は十分感じられた。またCDが売れない時代にバンド活動する、今の若い子達には本当に辛い時代だというのも伝わった。ただ主人公カップルのなよなよ感には共感できん。まあこ…

NINE

監督:ロブ・マーシャル実力あるロブ・マーシャルなので、そこまで酷い出来ではないが、元になった題材の小難しさや映画愛など多少マニアックなため、ミュージカルはもっと単純明快な方がいいのかも。また女優陣は皆芸達者で豪華なんだけど、豪華が続くと逆…

ウルフマン

監督:ジョー・ジョンストンもっと安っぽい映画かと思ったが、意外とクラシックな雰囲気が感じられ、これはジョー・ジョンストンと役者たちの力によるところが大きい。ベニチオ・デル・トロはクドイ存在感があるし、エミリー・ブラントは美しいし、アンソニ…

愛のそよ風

監督:クリント・イーストウッドある意味男の願望とも言える、中年男とヒッピー少女の恋愛という、妄想的な映画といっていい。自由奔放で最初はクソ生意気だが、明るく可愛い少女に、結局最後は落ちてしまうのが男という生き物。そして巨乳ってのもねぇ。。…

ヒトラーの贋札

監督:ステファン・ルツォヴィツキーナチスドイツが政府主導で贋札を、ユダヤ人に作らせていたという事実を初めて知った。省略を利かした編集やスピーディなカット割り、粗い映像とズームアップが「24」テイストな演出に見えた。生きるために贋札作りに協…

至福のとき

監督:チャン・イーモウどこか「初恋のきた道」を思わせ、チャン・イーモウ映画の少女の設定が、ある意味ベタで、そこがいい。盲目少女と小さな嘘という、ありがちな話ではあるが、國村隼のような主役のオッサンとドン・ジェの好演が、嫌みのないいい話に仕…

リストラ・マン

監督:マイク・ジャッジなんか妙に共感できるコメディ。こんな適当な会社はあり得ないが、こんなとこで絶対働きたくねえ。。。マイク・ジャッジの脚本は結構良く出来てるので、普通に楽しめた。マイケル・ボルトン押しは結構ウケたし、小ネタも満載。こんな…

ラストゲーム 最後の早慶戦

監督:神山征二郎とても真面目な映画だし、全く悪い映画ではないのだが、全体的に薄味なため印象に残りにくい。野球映画と言うよりは、戦争があった時代の若者たちの、それぞれの思いを込めた反戦映画である。ただ若者たちよりも、柄本明が一番目立っちゃっ…

くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-

監督:トム・フーパー「英国王のスピーチ」でオスカー監督となったトム・フーパーの前作。原作は東京在住のデヴィッド・ピースと知りびっくり。イングランドのサッカーの歴史の1ページが垣間見れ、興味深いものあり。大したことないのに、自分を大きく見せ…

ウエスタン

監督:セルジオ・レオーネこんなの西部劇を撮れるのはレオーネぐらいだ。叙情的で甘味なとこは、レオーネの真骨頂。ただじっくり撮りすぎているので、もっと時間を削ってもよかった気はする。横道に逸れずに、もっとヘンリー・フォンダとチャールズ・ブロン…

さまよう刃

監督:益子昌一痛ましい話だが、よくある少年犯罪ものなので、もう少し変わったアプローチをとらないと、映画としては平凡すぎる。東野圭吾原作だが、正攻法すぎて余り”らしさ”を感じなかった。感情に訴える話なのに、淡白な演出のためかどうもダイレクトに…

牛泥棒

監督:ウィリアム・A・ウェルマン集団心理の恐さや、ラストの真相のやっちまった感に何となく「ミスト」を思い出した。また主役の割には随分と扱いが小さく、なぜヘンリー・フォンダと思ったが、これは西部劇版「12人の怒れる男」だ(途中までは)。しか…

コールド・クリーク 過去を持つ家

監督:マイク・フィギス出来の悪いサスペンス。なぜマイク・フィギスは、こんな平凡な脚本を映画にしたんだろうか。昔はもっと映像に才気を感じたが、そのあまりの落差の激しさに、一体どうしちゃったんだ。結構いい役者は沢山揃えたのに。。。

ニューヨーク、アイラブユー

監督:チアン・ウェン、ミーラー・ナーイル、岩井俊二、イヴァン・アタル、ブレット・ラトナー、アレン・ヒューズ、シェカール・カプール、ナタリー・ポートマン、ファティ・アキン、ジョシュア・マーストン出来で言えば、イヴァン・アタル、チアン・ウェン…

ボーダー

監督:ジョン・アヴネット酷評ばかり聞いてたので、期待しなかったが、それほど悪くない。デニーロとパチーノが同じ画面で一緒に出ているだけで、もう満足。サスペンス映画としての弱さはあるけど、最後まで飽きさせないように、いろいろ誘導してくれて、ど…

交渉人 THE MOVIE タイムリミット 高度10,000mの頭脳戦

監督:松田秀知TV版は観てないけど、別に問題なし。何でこう日本のアクションって安っぽいんだろう。世界的に見てもホントに情けないレベル。まあ内容で勝負ならいいんだけど、肝心の脚本もお粗末。犯人たちは何がしたいのかさっぱり。黒幕もさっぱり。目…

渇き

監督:パク・チャヌクヴァンパイアものにエロを組み合わせた内容だが、どちらの要素も面白さを見い出せなかった。まあ女優の脱ぎっぷりには評価はするが。。。ヴァンパイアになったソン・ガンホとキム・オクビンが、ただ喧嘩してるだけの非常につまらない展…

エルマー・ガントリー/魅せられた男

監督:リチャード・ブルックス宗教に対するこの映画の立ち位置がイマイチ分からないが、結局宗教とはビジネスであるというのが、自分なりの解釈。口八丁な詐欺師をバート・ランカスターが豪快に演じ熱演(これでオスカー受賞)。お堅いジーン・シモンズより…

パンドラの匣

監督:冨永昌敬太宰治の原作は知らないが、奇妙な昭和の風景がここにある。「やっとるか」、「やっとるぞ」、「頑張れよ」、「よしきた」、独特な会話に違和感を感じるも、徐々に慣れていく不思議。世界観に見事にあったキャスティングが、この映画の全てと…

英国王のスピーチ

監督:トム・フーパー人前での緊張やどもりなど主人公の悩みは、とてもよく分かる。そしてそれを克服しようと二人三脚で奮闘するコリン・ファースとジェフリー・ラッシュの友情や英国王室の裏側、第二次大戦などの歴史的背景にも観るべきものはあった。ただ…