2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ディア・ウェンディ

監督:トマス・ヴィンターベア廃れた町の青春がなかなか良く、前半は非常にいい。しかし後半、若者たちの意味のない戦争ごっこに発展してしまい、青春映画としての折角のいい雰囲気が壊れた。そもそもあの婆さんを付き添うのに、あの短い距離で、まるで西部…

我らの生活

監督:ダニエレ・ルケッティ突然妻を亡くした男が、3人の子供を養うために奮闘する。イタリア経済の不景気ぶりも見えてくるし、移民問題やら、いろいろなイタリアの問題が顔をのぞかせる。主人公は好演しているし、映画自体も悪いものではない。ただ何とい…

風にそよぐ草

監督:アラン・レネ財布を拾ったことから、出会うことのなかった男と女が出会ってしまい、そこから物語が広がっていく。ストーカー映画のような恋愛映画のような、いろいろな面をみせてくれて、途中の映画館前の喫茶店ぐらいまではとても軽やかな良い映画だ…

真夜中のパーティー

監督:ウィリアム・フリードキン同性愛の仲間たちが集まった、ある一夜の誕生日パーティの話。1970年、まだタブーであったゲイを描いた舞台劇の映画化。ゲイの映画ということで正直観る気があまりしなかったが、フリードキンだし、まあ観てみっか。オカ…

小さな巨人

監督:アーサー・ペンなんとなくインディアン版「フォレストガンプ」のような話。老けメークのダスティン・ホフマンの回想で、西部開拓史を振り返る。白人社会とインディアン社会を行ったり来たりしながら、のらりくらりと立ち回り、時代に流されるまま生き…

フィッシュ・タンク

監督:アンドレア・アーノルド主人公に魅力がない。顔が可愛くないし、性格もかわいくない。育った環境が最悪なのは分かるが、自信過剰で被害者意識丸出しなので同情はしない。あんな下手くそなダンスで、得意面して痛すぎる。大人になるのに急ぎ過ぎた少女…

ベルフラワー

監督:エヴァン・グローデル監督自身が主役やってたのか。若者のダラダラした日常と恋人との出会い。しかし彼女の浮気現場を目撃し、その後事故にあってから、映画の性質が少し変わり出す。日常と妄想が入り乱れ、主人公や周りの人間が壊れだす。メキシコ映…

アイアン・スカイ

監督:ティモ・ヴオレンソラナチスの残党が月の裏側で地球侵略するという設定は面白い発想だが、話自体は意外と普通で、さほど盛り上がらない。まあ基本SFというよりは、コメディなので、アメリカやナチス、大統領、政治、人種そしてなぜか北朝鮮をおちょ…

第3逃亡者

監督:アルフレッド・ヒッチコック30年代という時代で、これだけのサスペンスを撮ったヒッチコックは流石というべきだろう。今観ても十分楽しめた。この手のサスペンスは主人公が真犯人か、それとも本当に別の犯人がいるのか、二通りある訳だが、やはりこ…

ルパン三世 バビロンの黄金伝説

監督:鈴木清順、吉田しげつぐこれ当時劇場で観に行ったなあ。確か同時上映は「ランボー」だった。。。鈴木清順が監督の一人だったとはね。知らんかった。内容はほとんど忘れていたけど、電車のシーンは憶えていた。出来自体は正直普通だが、なんか懐かしい…

ゴモラ

監督:マッテオ・ガローネ怪獣映画ではない。イタリアの犯罪映画で、ちょっとドキュメンタリー風な群像劇。だけどマフィアとかそういう感じではなく、都市部から離れた下町のようなとこの、末端ギャングの実態。こういう周りの環境がギャングたちで囲まれた…

10月の奇跡

監督:ダニエル・ベガ・ビダル、ディエゴ・ベガ・ビダルペルー映画。捨て子を育てることになった男の話。盛り上がりもなく、淡々とした話なので、未公開でも納得だが、悪い作品ではない。アレは実の子なのか。そうなると話の見方も変わってくるけど。。。ペ…

肉体の門

監督:鈴木清順戦後日本の風景。娼婦がそこらじゅうにいて、ヤクザもいて、MPがいて、街が混沌としていた時代。娼婦たちがパワフルで、よくも悪くも戦後日本の象徴のような存在だったのかな。しかし相変わらず鈴木清順の演出はヘンテコではある。そして牛…

あのアーミン毛皮の貴婦人

監督:エルンスト・ルビッチ、(オットー・プレミンジャー)まるで魔法の国のような色使い。絵の中から出てきたり、入ったりと、遊び心ある展開やハリウッドのおとぎ話的な恋愛など、決して悪い作品ではない。エルンスト・ルビッチのセンスの良さは十分感じ…

けんかえれじい

監督:鈴木清順鈴木清順の中でも名作と言われる作品なので、期待値が上がってしまったせいか、正直思ったより楽しめなかった。確かに悪い映画ではなく、けんかに明け暮れる男の無謀ぶりや高橋英樹の良さもあって、なかなかの作品であることは認めるが、なん…

超能力者

監督:キム・ミンソクつまんね。結局なにがしたいのって感じで、平凡な内容。動機も目的も希薄だから、観てる方も特に超能力者、非超能力者どちらにも感情移入できず、コイツら二人で楽しんでいるだけだろ。イケメン(ってことらしいが)俳優二人も特に魅力…

刺青一代

監督:鈴木清順鈴木清順なので、もっとケレン味たっぷりな映画かと思ったら、思った以上にオーソドックスな任侠映画で、とても良かった。話も短く、テンポもよく、たくさん観た訳ではないが、鈴木清順映画では上位の出来。赤い靴の正体にもニヤリ。らしさが…

ビューティフル・バディ

監督:ジム・カウフクライムコメディ。こんな無名で安っぽいタイトルの作品だが、その割にはそこそこ脚本はよく練られている。昔のコーエン兄弟風といえば少し褒めすぎだが、自体がどんどん雪だるま式に悪くなる感じや、とぼけた笑いなど結構健闘はしてるん…

スープ 〜生まれ変わりの物語〜

監督:大塚祐吉スープなんていうんで、料理系の映画かと思ったら全然違った。親子関係を描いた現実的な映画かと思ったら、予想外のファンタジーなものに突入して、なんだこれはのマンガチックな映画であった。ただ、ふざけているように見せかけて、実はちゃ…

キッド

監督:チャールズ・チャップリン再見。とにかく子供に尽きる。可愛くて、親心が芽生えるのも分かる。子供とガキ大将とのけんかのシーンが好き。あとガキ大将の親とチャップリンとの戦いも。でも夢のシーンはあまり好きじゃないなあ。。。本当の親と再会し、…

ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡

監督:ジェイ・デュプラス、マーク・デュプラス「僕の大切な人と、そのクソガキ」のデュプラス兄弟作。やはりこの兄弟できるな。撮影が「24」チックなのは「〜クソガキ」同様。しかしこの映画、よく考えると物凄く濃密な一日だな。結局、ニートよ、外へ出…

サマー〜あの夏の記憶〜

監督:ケニー・グレナーンどういう方向に持っていきたいのか、中途半端でつまらない。回想してミステリーっぽいことをしたいのか、ノスタルジックなものにしたいのか、何がしたいのかさっぱり。恋人との別れや弟の怪我など、回想で引っ張った割には、非常に…

ボディ・ダブル

監督:ブライアン・デ・パルマ昔観たけど、ほとんど憶えていないので観てみる。だけど観ているうちに思い出した。。。ヒッチコックの「裏窓」のパロディであり、デ・パルマも昔は才能あったなあ。ショッピングモールやポルノ現場でのカメラワークと空間の捉…

赤い河

監督:ハワード・ホークス西部劇の名作。自分的にハワード・ホークスって印象薄いんだけど、これは本物の西部劇を見せつけられた。でもこれジョンフォードっぽいんだよな。少年との出会いから、いきなり大人になる時間経過も見事。前半は牛追いの話で、CG…

ミッシング ID

監督:ジョン・シングルトンテイラー・ロートナー版「ボーンアイデンティティ」。J・シングルトンだからか、スケールの小さい「ボーン」ではあるが、それなりのものにはなっていて、普通に楽しめるレベル。行方不明の子供が、まさか自分とは・・・からの話…

汚れた心

監督:ヴィセンテ・アモリンへー実話なんだ。終戦後のブラジルが舞台の日系移民の話。戦争では敵を殺し、終戦後は日本人を殺す。なぜこんな愚かなことが起こってしまったのか。今の時代で歴史を振り返れば愚かの一言で終わりだが、当時の日本人には戦争で負…

東京流れ者

監督:鈴木清順鈴木清順に詳しいわけではないが、鈴木清順という作家性が一番発揮された作品ではないか。美術や装置のこの妙なこだわり具合は何なんだ。ただ話がちぐはぐなのは気になるが。一貫性がなく、どこに向かっているのかよく分からん。親分が、あん…

野獣の青春

監督:鈴木清順若い頃の宍戸錠の映画なんて観たことなかったが、これがエースのジョーか。昔の映画スターは今時の俳優と比べるとヤワじゃないね。画になる。内容は「インファナルアフェア」系のヤクザ潜入物。ストーリーも結構練られていて良い。6番目の女…

巨人と玩具

監督:増村保造お菓子屋の仁義なき戦い。といっても実際はお菓子屋というよりは、その広報部のお菓子のオマケの宣伝の奮闘を描く。高度経済成長期の日本企業のあり方や当時の時代の空気感も伝わり、興味深い作品であった。価値観の変化も見られ、日本的な義…

殺しの烙印

監督:鈴木清順フランス・ヌーべルバーグあたりの影響が感じられ、正直好きな映画ではない。話も意味不明でコイツら何がしたいんだって感じだが、逆にその意味不明さが強烈な印象を残しているのも確か。冒頭と最後の歌がいい。何気に裸が結構出てくる。モノ…