東京流れ者

監督:鈴木清順

鈴木清順に詳しいわけではないが、鈴木清順という作家性が一番発揮された作品ではないか。美術や装置のこの妙なこだわり具合は何なんだ。ただ話がちぐはぐなのは気になるが。一貫性がなく、どこに向かっているのかよく分からん。親分が、あんなかわいがっていた子分を裏切るとか、なぜそうなるの?って感じに。ただ終盤の師弟対決はよかった。あの白い通りと白くだだっ広い部屋、そして白い服と兎に角、白・白・白。それと主題歌の”東京流れ者”も頻繁に流れ、時代を感じさせるキザな任侠歌謡映画だ。