2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ワンダフルライフ

監督:是枝裕和アイデアがなかなかいい。ちょっと「ファイナル・カット」に似てるかも。所々にドキュメンタリータッチがあり、役者に混じった素人たち?(役者かも)の素の演技がよく特に老人たちが素晴らしい。ただ短期間で作る再現ビデオには多少無理があ…

リトル・チルドレン

監督:トッド・フィールド空虚感が映画全体を覆っていてそれを見事に映像に捕らえている。登場人物たちは心の隙間を埋めようと必死にもがくがどこか満たされず彷徨っている。トッド・フィールドは登場人物たちの微妙な心理や行動を深くえぐり出し「イン・ザ…

バッドアス!

監督:マリオ・ヴァン・ピーブルズ黒人が作る黒人のための最初の映画「スウィート・スウィートバック」が誕生するまでを息子のマリオが映画化。 今でもまだまだ大変だが70年代当時、黒人が映画を作ることがどれだけ大変かを描いている。この映画を見るとぜ…

ロング・エンゲージメント

監督:ジャン=ピエール・ジュネ戦争映画だが監督がジュネなので、どこかお伽話のような雰囲気。謎が謎を呼び、絡まった糸が除々に解けていくような展開なのだが、余りうまくいっておらず別に先が知りたいとは思わない。 この映画や「アメリ」のようなもので…

ヘルボーイ

監督:ギレルモ・デル・トロギレルモ・ナヴァロの映像は相変わらず暗く美しい。また個性的なキャラが多く、ヘルボーイや半魚人、それとVフォー・ヴェンデッタ風の二刀流キャラなど見ていて楽しい。 カッコいいハリウッド調のコミックヒーローと違って、ヘル…

キスキス,バンバン

監督:シェーン・ブラック小気味よいクライムコメディだが、何かもうひとつ乗り切れない部分がある。ダウニー・jrとヴァル・キルマーのコンビもイマイチしっくりこない。しかしこの映画の一番の魅力は会話の面白さだ。笑える会話がテンポよくポンポン出て…

マッチポイント

監督:ウディ・アレンストーリー的には取り立てて新しいものはないが、それでもこれだけ魅せるのはW・アレンの技としか言いようが無い。ニューヨークから心気一転ロンドンに舞台を移し、老境に入ってもまだまだ映画への情熱は衰えていない。 主人公の煮え切…

キサラギ

監督:佐藤祐市日本映画はハリウッド映画のようにお金をかけられないので、こういう路線でがんばった方がいいと思う。 前半は伏線を張りまくり、後半はその回収となかなか良くできた密室劇なのだが、伏線が地震とか容器の入れ替えとか多少こじつけ感が強い。…

西部戦線異状なし

監督:ルイス・マイルストン70年以上前の戦争映画。古臭いと思ったがそうでもなく、とてもしっかりした作りの傑作。戦争の惨さと残酷さ、そして徹底して戦争批判をしていて、戦争映画のスタンダードといえるような内容だ。 ラストの蝶のシーンが儚く印象的…

時をかける少女

監督:大林宣彦今度は映画版。 アニメ版と比べると切なさが全くなく、ショボさだけが目立つが、80年代という時代を考えると仕方がない。 映画は見る時代によって価値観が大きくかわるので、当時見ていたら違った感想になっていたとは思うが、さすがに今観…

マレーナ

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ少年時代の年上の女性への憧れを描いた映画。かなりトルナトーレは妄想いっぱいに描いている。 一番の見所はやはりモニカ・ペルッチだ。セクシーで美しいのだが、台詞が少なく、ほとんど歩いているシーンばかりだ。また彼女が…

オスカーとルシンダ

監督:ジリアン・アームストロングギャンブラー達の愛を大袈裟に描いているだけで、胸に迫ってこない。展開も単調でダレる。結局何が言いたいのかが分からず、終盤のある女がオスカーの子を産み、その後ルシンダがその子を引き取るなんていうエピソードはは…

時をかける少女

監督:細田守アニメの方。 切ない。アニメでこの切なさが出せたのは大したもんだ。現代風に多少アレンジはされているが原作のもつ何とも言えない切なさを見事に表現している。分かってはいるのだが後半の展開には新鮮な驚きを感じた。本や実写でなく、アニメ…

バリー・リンドン

監督:スタンリー・キューブリック前半は虎視眈々と様子見な軍隊生活、後半は貴族への成り上がりと転落とその波乱万丈な人生を丹念に華麗に追っている。 演出のこだわりはまさにキューブリック。有名なローソクの光だけの撮影やズームアウトの多用、またマー…

ソウ2

監督:ダーレン・リン・バウズマン前作はつまらん二流スリラーだったが、今回は前作よりマシ。 さっさとジグソウの正体をばらし、ジグソウと刑事の頭脳戦のような構図だが、大した駆け引きがあるわけでもなく普通。オチも「羊たちの沈黙」風だが、あっちほど…

デビルズ・バックボーン

監督:ギレルモ・デル・トロ一応ホラー映画なのだがホラー色は薄く、スペイン内戦下の孤児院に引き取られた少年が孤児院で起こる様々な事件を通して大人へと成長する、少年たちの苦い成長物語といった色の方が強い感じがした。 ギレルモ・ナヴァロの映像がホ…

ハッスル&フロウ

監督:クレイグ・ブリュワー現実と夢の間でもがきながらラッパーとしての夢を捨てきれず格闘する男を描いた音楽映画の快作。 見所のひとつである吹替えなしのラップシーンはなかなかエキサイティングだ。演じるテレンス・ハワードがカリスマ的な魅力と爆発力…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー

監督:ユエン・ウーピン面白れー!究極のワイヤーアクション映画。ここまでくると凄いを通り越して笑える。とにかくありとあらゆるアクション技で見ていて飽きない。よくもまあこれだけのアイデアがあるもんだと感心する。 ツッコミ所はたくさんあるが、そん…

黒い罠

監督:オーソン・ウェルズストーリー自体は取り立てて驚きはないが、撮り方や見せ方が上手く独特なフィルム・ノワールとなっている。特にラッセル・メティの撮影は素晴らしく、冒頭の長回しやラストの橋の下を含む一連の盗聴シーンなど50年代の映画とは思…

ロード・オブ・ウォー

監督:アンドリュー・ニコル映画というよりは、戦争における銃器の関連性などを説明した解説ビデオみたいな感じになっている。映画のほとんどがナレーションで占めているので興味深い内容ではあるが映画的な面白さはあまりない。 まるで甘いものに群がるアリ…

ユー・キャン・カウント・オン・ミー

監督:ケネス・ロナーガン姉と弟の兄弟愛を綴った佳作。時に笑いあったり、けんかしたりといろいろあるけどやっぱり兄弟はかけがえのない存在だなと何かしみじみしてしまった。 役者は皆好演しているが、中でもローラ・リニーはやっぱり上手い。

ハード キャンディ

監督:デヴィッド・スレイド「ミザリー」の変則版。おぞましく吐き気がするシーンあり。 オチの弱さや設定の奇抜さで引っ張っている部分もあるが、密室スリラーとしては良くできているのではないか。 少女の真意や正体をもうちょっとはっきりさせてほしかっ…

生きものの記録

監督:黒澤明黒澤流原爆批判映画。映画は1955年に作られたものだから広島に原爆が投下されて10年後に作られたことになる。 果たして主人公が頭がおかしいのか、それとも原爆の恐怖に気づかない周りがおかしいのか。被爆国としての危機感が日に日に薄れ…

独立愚連隊

監督:岡本喜八もっとアクション満載かと思ったが、意外とミステリー仕立てでちょっと拍子抜け。場所などの全体像もいまいちつかめづらい。終盤の決闘が西部劇風なのは面白い。 佐藤允のひょうひょうとした演技がいい。佐藤允の魅力がこの映画のすべてといっ…

名もなきアフリカの地で

監督:カロリーヌ・リンクナチスドイツから逃れアフリカへと亡命した家族が、今までとは異なる文化に戸惑いながらも、アフリカの大地で必死で生活していく様を描いている。 ドイツから逃れてもユダヤ人としての迫害を受けたりと当時の社会状況もしっかりと描…

マリー・アントワネットの首飾り

監督:チャールズ・シャイア陰謀の内容が無謀すぎて、よくこんな安易な策略に周りの人間が乗ってきたなあって感じ。まーこんな事件があったんだなあ程度の映画です。 しかしマリー・アントワネットは小説や映画によって人物像がかわってくる。作り手の視点に…

ブギーマン

監督:スティーヴン・ケイ昔、土曜の深夜12チャンネルでやっていたアメリカのホラードラマのような内容。ホラーなのに全然怖くなく特に見所はない。

ボン・ヴォヤージュ

監督:ジャン=ポール・ラプノーフランスのスター総出演の歴史映画。 面白い。またフランスのまじめで退屈な映画と思いきやこれがそうではなく、エンターテインメントにあふれている。多くの登場人物がそれぞれどこかで絡み合い、この辺の連携したパス回しが…

シャレード

監督:ジョナサン・デミリメイクの方。決してサスペンスとして優れたものではないが、シャルル・アズナヴールが歌いだしたりとジョナサン・デミの遊び心がいっぱいで楽しめた。ジョナサン・デミ(というかタク・フジモト)映画なので、正面からのショットや…

ドア・イン・ザ・フロア

監督:トッド・ウィリアムズ原作がジョン・アーヴィングなので文学的な色が強い。家族の悲しみや再生、青年の性の目覚めなど多くのテーマが盛り込まれている。時折ユーモアを挟んでいるのでそんなに堅苦しさはない。 そのフロアのドアを開けてはならない。絶…