★★★

マイ・エレメント

監督:ピーター・ソーン 近年あからさまな多様性アニメ映画ばかりのディズニーだが、まあこれもその流れの一本。でも分かりやすいぐらいの多様性なので、潔いとも言える。価値観の違うもの同士が様々な困難を乗り越え結ばれる。もう最初から結末は分かり切っ…

にごりえ

監督:今井正 原作樋口一葉。短編3つ「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」のオムニバス。50年代でこういう手法はめずらしいんじゃないか。明治時代の女性の小市民を描いたものであり、現代にも通じる女性の苦悩。生き辛さとか男尊女卑とか、まあ明治だし…

真人間

監督:フリッツ・ラング フリッツ・ラングに人情系とは珍しいのではないか。とにかくシルヴィア・シドニーが素晴らしい。美しくて優しくて頭良くて。しかしどこか変な違和感を覚えるシーンが多い。強盗する人数多かったり、あと終盤の黒板での説得シーン。こ…

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男

監督:タラ・ウッド みんな大好きタランティーノ。そんなタランティーノのドキュメンタリー。それなりに知ってる話ばかりではあったが楽しめた。レンタルビデオで働いていた男のサクセスストーリー。やっぱり究極のオタクは強い。映画に愛された男とあるが、…

キッドナップ・ブルース

監督:浅井慎平 これは映画なのか。オッサンと少女の誘拐のようなロードムービーのような。はっきり言ってストーリーなんてものはほとんどない。でもなんだろう嫌いじゃない。80年代の空気、懐かしい顔、そしてタモリ。役者タモリの個性というか全く主張し…

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊

監督:ケネス・ブラナー ブラナーポアロの第3弾。うん軽量級なミステリー。ポアロvs霊能者の知恵比べみたいなもんかと思ったら、ミシェル・ヨーが早々消えてびっくり。こんな地味な話をなぜ選んだのか謎。イマイチかなあと思ったけど、終盤が結構余韻のあ…

ジョン・ウィック:コンセクエンス

監督:チャド・スタエルスキ シリーズの第4弾。長いし単調なアクションがまるでテレビゲームみたいではあるが、まあこれがジョンウィック。やってることが毎回同じような気がしないでもないが、真田広之、ドニー・イェンがいるからまあ許してやるか。リナ・…

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

監督:ジェームズ・マンゴールド 長いし詰め込みすぎだしで正直それほど良かったわけではないが、終盤のトンデモ展開は意外と好きかも。スピルバーグ風な作りも悪くない。ハリソン・フォードはちょっとは痛々しいかな。もう年なんだしゆっくり休ませた方がい…

ザ・クリエイター/創造者

監督:ギャレス・エドワーズ オリジナルのSFというとこは評価したい。ただ結構取っ散らかってはいる。AI対人間の戦いは目新しさはないけど、そこに東側対西側という構図にしたのは悪くない。監督の日本愛は随所に出ていた。ノマドのデザインがいい。3D…

ジュリア(s)

監督:オリヴィエ・トレネ この手の映画はある。「スライディング・ドア」とかあの時こうだったらというもうひとつの人生ってやつ。こういう系は好き。ただどこで分岐したのかがイマイチ分かり辛かった。てっきり2つだけだと思っていたら、後で調べると4つ…

UNloved

監督:万田邦敏 ほぼ三人の役者の会話劇。恋愛の価値観の話。付き合うとはどういうことなのか。結局どちらかの価値観を押し付けることなのか。金のある者に無い者が従うことなのか。中々自分を貫くって難しい。森口瑤子の言ってることはいちいち正論なのだが…

俺は善人だ

監督:ジョン・フォード ジョン・フォードがこういう映画撮るのか。1930年代にこんな影武者コメディがあったとは。脚本も非常によく出来ている。そしてエドワード・G・ロビンソンである。やっぱ好きだなあロビンソン。ギャングと小市民の一人二役を見事…

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE

監督:塩谷直義 シーズン3の前の話。オリジナルの虚淵玄が消え、構成が冲方丁に変わってからは面白くなくなってきたけども、それでも劇場版はそれなりに見れるものになっている。シーズン3で常守朱が捕まったから何があったのかと思ったらこういうことね。…

深夜復讐便

監督:ジュールス・ダッシン 中々のノワール。まず林檎を運ぶトラック野郎というこの職業が映画としてめずらしい。青果物の流通のやり取りにノワールをくっつけるセンスがよい。「恐怖の報酬」を思わせるトラックのサスペンスとしても面白い。途中で修理中に…

ザ・フラッシュ

監督:アンディ・ムスキエティ DCもマルチバースに手を出したか。スパイダーマンがなければもっと興奮したかもしれんが、やり口が同じなのでそこまで盛り上がらず。キートンとかクルーニーとか折角いいの揃えているのにね。「BTTF」のエリックストルツネタは…

破局

監督:マイケル・カーティス これ「脱出」のリメイクなんだ。昔観たけどあまり覚えてない。ジョン・ガーフィールドはなんかぱっとしない。しかしよく騙されるなあ。金がないと弱みに付け込まれ汚い仕事をすることになるというお決まりのパターン。パトリシア…

TUESDAYGIRL

監督:今泉力哉 短編。まあいつもの今泉。これでいいようなワンパターンのような。複数のカップルのもつれ。まあ人間という哀れな生き物をよく表しているのかも。結婚前に元カノとやっちゃうとかならまだしも、それを告白するってそのタイミングどうなのよ。…

セールス・ガールの考現学

監督:ジャンチブドルジ・センゲドルジ モンゴルといえば最近だと「VIVANT」とか砂漠とかロシアに接しているとか、まあそんなイメージだが、この映画はそれを覆す。アダルトグッズ・ショップとはまさかの組み合わせ。こういう映画が作られるようになったのか…

夜明けの旗 松本治一郎伝

監督:山下耕作 部落解放運動指導者、松本治一郎の半生。明治時代にこういう人がいたんだ。知らんかった。この時代だしあからさまな差別もあっただろう。まあいつの時代でも差別はなくならないか。なくならなくても抵抗することはできる。ある程度改善するた…

バウンティフルへの旅

監督:ピーター・マスターソン 老女のロードムービー。まあたまにある「ハリーとトント」や「ストレイト・ストーリー」系の老人映画。なんてことない話ではあるのだが、深い味わいはある。長く生きた分演技に深みが出せるのだ。ジェラルディン・ペイジが好演…

結婚期

監督:井上梅次 50年代のロマコメ。公園作るとか黒澤の「生きる」みたい。内容全然違うけど。鶴田浩二がモテモテ男の話。とはいえいわゆるプレイボーイって感じではなく、真面目な男で気付けば出会う女たちから好意を抱かれるってやつ。しかもアナウンサー…

ザ・ホエール

監督:ダーレン・アロノフスキー ほぼ家の中だけの話。舞台劇だそうだが、確かに舞台向き。画面サイズがスタンダードなので現代劇なのにどこか80年代ぐらいの雰囲気を感じた。アメリカってどうしたらそんな体になるんだよってぐらいの肥満がいるよね。個々…

生きたい

監督:新藤兼人 新藤兼人自身の老後問題を意識してこの映画を作ったのではないか。現代の老後と姥捨て山伝説を交錯させるのは新藤監督らしい趣向。三國連太郎と大竹しのぶの新旧ぶつかり合いもそれなりにいい。これ1999年の作品だが、五人に一人が老人と…

極道恐怖大劇場 牛頭

監督:三池崇史 「ごず」と読む。最初はめちゃ面白かった。哀川翔のヤクザ犬とかヤクザカーとか変な妄想に取りつかれたキャラがおかしく、シュールな笑いが最高だった。ただ哀川が退場してからシュールさはあるけど、それほど笑えないギャグが続きやや退屈。…

青春墓場

監督:奥田庸介 「東京プレイボーイクラブ」の監督か。やっぱりこの監督「パルプフィクション」好きだろ。前半後半2つの物語なのだが、個人的には交差させてほしかった。最後はどう繋ぐか期待したのに放置。なぜ殺したのか、あのゾンビみたいなのはとか最後…

三文役者

監督:新藤兼人 殿山泰司の伝記。なぜこの名バイプレイヤーに焦点を当てたのか。伝記というよりは新藤監督の個人的感情で作ったような側面を感じる。竹中直人は似てないけど喋り方などで本人に近づけていた。回想で中学生もやってたけど、それさすがに無理あ…

修羅

監督:松本俊夫 撮影や編集が独特で、この時代では新しさを感じる。まあ復讐物なんだけど、ねちっこくてそれでいて練られている。モノクロの映像美と舞台劇のような映画。中村賀津雄と三条泰子と唐十郎の三者の紆余曲折の地獄巡り。ちょっと長さを感じたし、…

真昼の暗黒

監督:今井正 実際の事件(八海事件)をベースにしている。冤罪事件で警察の横暴が描かれている。一番問題なのは警察は間違えられないという幻想だ。警察だって間違える。しかし起訴したら必ず有罪にしなければいけないような空気がある。間違えてもそのまま…

ミッドナイト

監督:三池崇史 原作は手塚治虫。全編iPhone 15 Proで撮影した20分弱の短編。まあまあ。自己紹介程度の序章って感じ。短編なのでエピソードがひとつしかないからこれだけじゃなんとも言えない感ある。iPhoneって言っても結構がっつり撮影してた。改造車が…

遺灰は語る

監督:パオロ・タヴィアーニ 懐かしいなあタヴィアーニ兄弟。先日亡くなったので、これが遺作ということだろう。ノーベル賞作家ルイジ・ピランデルロの遺灰を故郷シチリアに運ぶ旅。道中でのいろんなトラブルありだけど、どこか温かみがあった。そしてモノク…