★★★

俺は善人だ

監督:ジョン・フォード ジョン・フォードがこういう映画撮るのか。1930年代にこんな影武者コメディがあったとは。脚本も非常によく出来ている。そしてエドワード・G・ロビンソンである。やっぱ好きだなあロビンソン。ギャングと小市民の一人二役を見事…

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE

監督:塩谷直義 シーズン3の前の話。オリジナルの虚淵玄が消え、構成が冲方丁に変わってからは面白くなくなってきたけども、それでも劇場版はそれなりに見れるものになっている。シーズン3で常守朱が捕まったから何があったのかと思ったらこういうことね。…

深夜復讐便

監督:ジュールス・ダッシン 中々のノワール。まず林檎を運ぶトラック野郎というこの職業が映画としてめずらしい。青果物の流通のやり取りにノワールをくっつけるセンスがよい。「恐怖の報酬」を思わせるトラックのサスペンスとしても面白い。途中で修理中に…

ザ・フラッシュ

監督:アンディ・ムスキエティ DCもマルチバースに手を出したか。スパイダーマンがなければもっと興奮したかもしれんが、やり口が同じなのでそこまで盛り上がらず。キートンとかクルーニーとか折角いいの揃えているのにね。「BTTF」のエリックストルツネタは…

破局

監督:マイケル・カーティス これ「脱出」のリメイクなんだ。昔観たけどあまり覚えてない。ジョン・ガーフィールドはなんかぱっとしない。しかしよく騙されるなあ。金がないと弱みに付け込まれ汚い仕事をすることになるというお決まりのパターン。パトリシア…

TUESDAYGIRL

監督:今泉力哉 短編。まあいつもの今泉。これでいいようなワンパターンのような。複数のカップルのもつれ。まあ人間という哀れな生き物をよく表しているのかも。結婚前に元カノとやっちゃうとかならまだしも、それを告白するってそのタイミングどうなのよ。…

セールス・ガールの考現学

監督:ジャンチブドルジ・センゲドルジ モンゴルといえば最近だと「VIVANT」とか砂漠とかロシアに接しているとか、まあそんなイメージだが、この映画はそれを覆す。アダルトグッズ・ショップとはまさかの組み合わせ。こういう映画が作られるようになったのか…

夜明けの旗 松本治一郎伝

監督:山下耕作 部落解放運動指導者、松本治一郎の半生。明治時代にこういう人がいたんだ。知らんかった。この時代だしあからさまな差別もあっただろう。まあいつの時代でも差別はなくならないか。なくならなくても抵抗することはできる。ある程度改善するた…

バウンティフルへの旅

監督:ピーター・マスターソン 老女のロードムービー。まあたまにある「ハリーとトント」や「ストレイト・ストーリー」系の老人映画。なんてことない話ではあるのだが、深い味わいはある。長く生きた分演技に深みが出せるのだ。ジェラルディン・ペイジが好演…

結婚期

監督:井上梅次 50年代のロマコメ。公園作るとか黒澤の「生きる」みたい。内容全然違うけど。鶴田浩二がモテモテ男の話。とはいえいわゆるプレイボーイって感じではなく、真面目な男で気付けば出会う女たちから好意を抱かれるってやつ。しかもアナウンサー…

ザ・ホエール

監督:ダーレン・アロノフスキー ほぼ家の中だけの話。舞台劇だそうだが、確かに舞台向き。画面サイズがスタンダードなので現代劇なのにどこか80年代ぐらいの雰囲気を感じた。アメリカってどうしたらそんな体になるんだよってぐらいの肥満がいるよね。個々…

生きたい

監督:新藤兼人 新藤兼人自身の老後問題を意識してこの映画を作ったのではないか。現代の老後と姥捨て山伝説を交錯させるのは新藤監督らしい趣向。三國連太郎と大竹しのぶの新旧ぶつかり合いもそれなりにいい。これ1999年の作品だが、五人に一人が老人と…

極道恐怖大劇場 牛頭

監督:三池崇史 「ごず」と読む。最初はめちゃ面白かった。哀川翔のヤクザ犬とかヤクザカーとか変な妄想に取りつかれたキャラがおかしく、シュールな笑いが最高だった。ただ哀川が退場してからシュールさはあるけど、それほど笑えないギャグが続きやや退屈。…

青春墓場

監督:奥田庸介 「東京プレイボーイクラブ」の監督か。やっぱりこの監督「パルプフィクション」好きだろ。前半後半2つの物語なのだが、個人的には交差させてほしかった。最後はどう繋ぐか期待したのに放置。なぜ殺したのか、あのゾンビみたいなのはとか最後…

三文役者

監督:新藤兼人 殿山泰司の伝記。なぜこの名バイプレイヤーに焦点を当てたのか。伝記というよりは新藤監督の個人的感情で作ったような側面を感じる。竹中直人は似てないけど喋り方などで本人に近づけていた。回想で中学生もやってたけど、それさすがに無理あ…

修羅

監督:松本俊夫 撮影や編集が独特で、この時代では新しさを感じる。まあ復讐物なんだけど、ねちっこくてそれでいて練られている。モノクロの映像美と舞台劇のような映画。中村賀津雄と三条泰子と唐十郎の三者の紆余曲折の地獄巡り。ちょっと長さを感じたし、…

真昼の暗黒

監督:今井正 実際の事件(八海事件)をベースにしている。冤罪事件で警察の横暴が描かれている。一番問題なのは警察は間違えられないという幻想だ。警察だって間違える。しかし起訴したら必ず有罪にしなければいけないような空気がある。間違えてもそのまま…

ミッドナイト

監督:三池崇史 原作は手塚治虫。全編iPhone 15 Proで撮影した20分弱の短編。まあまあ。自己紹介程度の序章って感じ。短編なのでエピソードがひとつしかないからこれだけじゃなんとも言えない感ある。iPhoneって言っても結構がっつり撮影してた。改造車が…

遺灰は語る

監督:パオロ・タヴィアーニ 懐かしいなあタヴィアーニ兄弟。先日亡くなったので、これが遺作ということだろう。ノーベル賞作家ルイジ・ピランデルロの遺灰を故郷シチリアに運ぶ旅。道中でのいろんなトラブルありだけど、どこか温かみがあった。そしてモノク…

微温

監督:今泉力哉 2007年の短編。今泉初期の作品だが、スタイルは確立している。二組の二股カップルの会話劇。すれ違いコントのような感じで、今でもこんな感じの作品を作っている。常連の芹澤興人がこの頃から出てたんだね。彼は盟友ってことなんだろうな。や…

魔像

監督:大曾根辰夫 魔像ってタイトルが興味を引いた。魔像ってなんだよと思ったら、まあ瓜二つの人間ってことね。序盤阪妻がイジメを受け、その時突然笑い出すシーンがあるのだが、あの豹変ぶりがかなりびっくりした。まあこの手のそっくりさん的映画は「デー…

千曲川絶唱

監督:豊田四郎 うーん悪くはない。だけど長く感じた。90分ぐらいなら尚良かったのだが。難病物だけで押し通せばよかったのだが、そこに純愛を入れてダラダラ長くしてしまい、やや退屈に感じた。北大路欣也は野性的で病気には見えないぐらい。星由里子が好…

藍宇(ランユー) 情熱の嵐

監督:スタンリー・クワン ゲイ映画。2人の男の10年間の愛の軌跡。ゲイで香港映画といえば「ブエノスアイレス」があったなあ。まああまり好みの映画ではないが、2001年という時代の中国を映しているのかも。この映画の良さは短いこと。編集が大胆で違いを出…

希望のかけ橋

監督:吉田和泉 日本人の父とポーランド人の母の監督によるポーランド制作の短編アニメ。シベリアで飢餓や病気に苦しむポーランドの孤児が日本に逃れてきていたということをあまり知らなかったので、こういう事実をアニメで伝えるのは解りやすくていい。また…

歌行燈

監督:衣笠貞之助 原作泉鏡花。「うたあんどん」と読む。どこかおっとりした山本富士子はいまひとつパッとしない気もするが、市川雷蔵はいい。まあ言ってみれば父を死なせた男との恋ってことなんだけど、雷蔵の説得力ある演技でしっかりした文芸作品になった…

LOVE LIFE

監督:深田晃司 深田の気持ち悪さは出ていたと思う。息子がお風呂で溺死するわけだが、あのシーンの周りが気付かなくて時間だけが過ぎ、いやーな気味悪さがあり、ああこういう映画になるんだと不安の幕が開ける。元旦那が韓国人で喋れないで手話だけという設…

遠いところ

監督:工藤将亮 不幸不幸不幸。不幸すぎて気が滅入る。ダルデンヌ兄弟でもやりたいのか。沖縄の17歳の母親の物語。その年で子供を産んではいかんよ。旦那がクズすぎてもう地獄でしかない。そもそも暴力を振るう男なんてさっさと離婚すればいいのに。このろく…

ぐるりのこと。

監督:橋口亮輔 2008年の映画。約15年前なので脇役たちが皆出世してる。なのでキャストがすごい豪華です。そしてリリー・フランキーが役者として覚醒した作品と記憶。木村多江も大きく飛躍した。妊娠時の女性の不安定さや子を失ったことへの精神の崩れ…

インスペクション ここで生きる

監督:エレガンス・ブラットン 監督自身の実体験を基にしたドラマだそうだ。ゲイが海兵隊に行ったらって話。ゲイってことよりもアメリカの軍隊はまだこんなイジメみたいなことをやっているのか。鍛えるためとはいえ、イジメや差別が普通に行われている。この…

ロストケア

監督:前田哲 介護の問題なんだけど、結局は貧困が根本の原因なんだと思う。最初は長澤まさみの正論に同意という感じであったが、松山ケンイチの主張が段々正しいように思うから困った。答えはないし一つじゃない。ただやはり堕ちた人間にしか分からない部分…