黒い罠

監督:オーソン・ウェルズ

ストーリー自体は取り立てて驚きはないが、撮り方や見せ方が上手く独特なフィルム・ノワールとなっている。特にラッセル・メティの撮影は素晴らしく、冒頭の長回しやラストの橋の下を含む一連の盗聴シーンなど50年代の映画とは思えないぐらいのテクニックだ。
晩年のマーロン・ブランドのような巨漢のオーソン・ウェルズが悪徳警官を怪演している。また出番は少ないがマレーネ・ディートリッヒの存在感は凄いの一言。