牛泥棒

監督:ウィリアム・A・ウェルマン

集団心理の恐さや、ラストの真相のやっちまった感に何となく「ミスト」を思い出した。また主役の割には随分と扱いが小さく、なぜヘンリー・フォンダと思ったが、これは西部劇版「12人の怒れる男」だ(途中までは)。しかし、そう上手くいかない所が、この映画の傑作たるところで、短い時間の中で人間の弱さ、一度動き出したら止まらない歯車、そして冤罪を生む過程を簡潔に表現。異色の西部劇だが、隠れた傑作。