ウエスタン

監督:セルジオ・レオーネ

こんなの西部劇を撮れるのはレオーネぐらいだ。叙情的で甘味なとこは、レオーネの真骨頂。ただじっくり撮りすぎているので、もっと時間を削ってもよかった気はする。横道に逸れずに、もっとヘンリー・フォンダチャールズ・ブロンソンのやり取りがあれば、より復讐のドラマが際立ったのにと、ストーリー面での不満はあるが、演出面は完璧。俳優のアップ、目の動き、音の使い方とホントこの辺は惚れ惚れする。あのハーモニカの音も強烈な印象を残す。そしてもう一つの主役ともいえるエンニオ・モリコーネの音楽。相変わらず美しい音色で、これがハリウッド西部劇とは毛色の違う空気を作り出し、作品のグレードを何倍にも引き上げている。