ロルナの祈り

監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ

ダルデンヌ兄弟は好きだが、これはいまひとつ乗れなかった。偽装結婚によって、自分さえ幸せになればいいような主人公の行動に、感情移入しずらかった。とはいえ主人公に幸せが待ち受けているとは、到底思えず、他人を陥れた代償は、いろいろな形で受難が降りかかる。この辺のちょっと突き放した感じは、ダルデンヌ兄弟らしい。中盤の急な展開は、あまりに省略しすぎではあるが、そういうことを平然とやっちゃうのが、この監督の特徴であり、他の監督には無い良さなんだけどね。まあいつものような、ガツンとくるものは無かったが、妊娠の話の展開が、いつもよりも物語性を重視していて、これはこれで良かった。