青いパパイヤの香り

監督:トラン・アン・ユン

はっきり言ってストーリー自体に大きなドラマはない。セリフも少なく、舞台劇のようなほぼ家の中だけに限定された話だが、草木や水、食べ物、骨董品、小動物などのオブジェクトと”間”によって、独特の映像詩を作り出している。この何も無さに、青臭いと感じるか、瑞々しいと感じるかで意見が分かれそうだが。。。途中で話が10年後に移り、そこからは正直面白くない。なぜ悪戯ばかりしていた次男を10年後の話に絡ませなかったのか。なんだか無意味な前ふりのようだが、それでも主人公の少女時代は悪くない。演じるリュ・マン・サンの可愛さが、この映画の全てと言っても過言ではない。