雪に願うこと

監督:根岸吉太郎

馬と人間はドラマになりやすい。北海道の大地の自然や厩舎で生きる人達の生活も丁寧に描かれていて、役者たちも好演。また普通の競馬ではなく、ソリを曳く競馬“ばんえい競馬”という独自の競技を初めて知り、興味深いものがあった。根岸監督のわざとはずしたような演出(佐藤浩市小泉今日子の関係であったり、伊勢谷と吹石一恵の間に何か起こりそうに匂わせたり、最後ウンリュウが勝ったかどうか見せなかったり、主人公の最後の選択だったり)には、やや消化不良な気になった。なにか気持ちよく終わるはずのラストに、変なしこりを残してしまったように思えてならない。