2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

お早よう

監督:小津安二郎とても微笑ましい作品。と同時に戦後の日本経済の発展の兆しが生活から見てとれる。ガキ兄弟の静かなる抵抗が可笑しく癒された。悪ガキ二人には、どこか「生れてはみたけれど」の兄弟を思わせ、おでこを突くとオナラするとことか、バカでい…

彼岸花

監督:小津安二郎小津安二郎、初カラー作品。まあやってることはいつもの家族と結婚。正直ワンパターンだなあと思ったけど、最後にはしみじみさせるんだから、流石小津といったとこか。やっぱりモノクロの方が味があっていいなあとは思ったが、この温かみの…

エンド・オブ・ザ・ワールド

監督:ローリーン・スカファリア地球滅亡という世界観は好きだし、この映画の雰囲気もいいのだが、なぜか心に響いてこない。スティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイの組み合わせが、正直あまり良い効果を生んでいない。カレルにするなら別の女優、ナイトレ…

ローマ、愛の部屋

監督:フリオ・メデムほぼ出演者は裸の女性二人。ローマのホテルの中で、いちゃいちゃしたり、身の上話をしたりの内容。舞台劇のような限定された中で、嘘やネットなどを使い、会話劇として最後までなんとか持たせたのは立派だが、この内容でこれでは長すぎ…

太平洋ひとりぼっち

監督:市川崑堀江謙一の体験記を映画化。一人で小型ヨットに乗り、太平洋横断を成し遂げた男の話。他キャストもいるが、ほとんど裕次郎の独り芝居。なんか実話って感じがしない。石原裕次郎が演じているからか、凄いことをやり遂げたようには見えないんだよ…

ハッスル

監督:ロバート・アルドリッチアルドリッチにしては随分と凡作だ。気になったのは、バート・レイノルズが死んだ男に何発も弾を撃ち込んでるとこ。最後も証拠隠ぺいで死者に弾撃ってるし、今だとだいぶ問題になるけど、当時はこれが正義だみたいなノリで、結…

リトル・マエストラ

監督:雑賀俊郎まあありがちな田舎、音楽、自分探しというパターン化された要素ではあるが、嫌みなく好感は持てた。何といっても有村架純がかわいいのが、やっぱり一番大きいのかな。釈由美子やベテランの蟹江敬三、前田吟の演技も好サポート。どうしてコン…

ホーホケキョ となりの山田くん

監督:高畑勲今まで、なぜ4コマ漫画の「となりの山田くん」?とどんくさく敬遠して観なかったが、高畑勲だし、思いきって観てみようと思った。えっ普通に面白いじゃん。独特なタッチで描かれた画は「かぐや姫の物語」の原点ではないか(観てないけど)。こ…

フランケンウィニー

監督:ティム・バートンティム・バートン自らの短編を長編化。バートンにしては昔ほどの毒気はないが、最近の作品のつまらなさに比べれば、なかなか良かった。怪奇映画へのオマージュが感じられたし、グレムリンみたいなのだったり、ガメラだったりと怪物た…

みなさん、さようなら

監督:中村義洋中村義洋だし、濱田岳だし、内容的にも伊坂幸太郎原作かと思ったら違った。。。過去にトラウマを抱えた少年が団地の中で生きていく団地映画(笑)。30歳まで外の世界には触れずに生きてきたが、やや変人かもしれないが、人として真っ当に成長…

SAFE/セイフ

監督:ボアズ・イェーキンオヤジと少女というステイサム版「レオン」。ステイサム映画としては、まあまあいい方なんじゃない。最初は結構情けなく、めずらしく弱さを見せると思いきや、結局いつもの強すぎるステイサムに戻ってしまった。。。監督はボアズ・…

マルドゥック・スクランブル

監督:工藤進原作脚本は冲方丁。「圧縮」「燃焼」「排気」の3部作のアニメ。これ原作読んだことあるが、前半で挫折してしまった。。。もっとガチガチのSFだと思ったけど、そうでもなかった。というのも中盤から後半にかけてのカジノでのカード対決に随分…

晩春

監督:小津安二郎父と娘の親子愛にしみじみ。二人暮らしの親子の、結婚への迷いから結婚までのやりとりを温かく、そしていかにも日本的な心情で描写。笠智衆と原節子の黄金コンビで、嫁ぐ娘と父という普遍的テーマだが、シンプルに味わい深く見せる。二人で…

麦秋

監督:小津安二郎戦後日本の家族の情景。昔はこういう大家族が、皆一緒に暮らしている景色があった。しかし突然の結婚の承諾には驚いた。あの時代にはそういうこともあったのだろうか。今とは結婚観がシビアじゃなかった時代だったのかも。当時の日本人の考…

YES/NO イエス・ノー

監督:エンリコ・クレリコ・ナジーノくだらん、つまらん。シチュエーション・スリラーもこんなのばっかだな。サスペンスと見せかけて、最終的には愛の物語にもっていくんだけど、正直どうでもいいです。あの舞台装置作ったり、隠し撮りしたりと、まあツッコ…

PARKER/パーカー

監督:テイラー・ハックフォードもっと骨太な男くさい映画にしてもよかった。要はジェニファー・ロペスが邪魔なのだ。ただ彼女がいなかったら、もっと地味な映画になっていたので、結果的には良しとしよう。凡作の多いステイサム映画としては、まともな方だ…

死の十字路

監督:井上梅次江戸川乱歩原作。妻を殺してしまった男が死体を処理しようとする途中に、関係ない別の死体も処理するはめになる。さほど凄さはないが、安心して観られるサスペンス。50年代という時代性、モノクロの映像、そして三国連太郎の存在感。そこそ…

灯台守の恋

監督:フィリップ・リオレ回想形式で進むフランス悲恋物語。回想することによって、少しミステリー的な風味もあり、予想通りの展開だが、とても気持ちよく話に没頭できた。閉鎖的な漁村、そこにやってくるひとりの青年と許されざる恋。登場人物たちの微妙な…

ATM

監督:デヴィッド・ブルックス脚本は「[リミット]」のクリス・スパーリング。この人、閉じ込められる状況の話が好きなようだ。棺桶からATMに変わっただけのシチュエーション・スリラー。うーん、この手の閉じ込められる系はたくさんありすぎて、正直「…

ライク・サムワン・イン・ラブ

監督:アッバス・キアロスタミ登場人物たちの関係性がいまいち分からない。日本の監督ならこんなことにはならないのだが、イランの監督キアロスタミだからか、言葉が敬語とかタメ口とか微妙なとこが曖昧なので、独特のズレが出ていて妙な味になっている。い…

エレベーター

監督:スティーグ・スヴェンセンエレベーターに閉じ込められるという、まあありがちな密室スリラー。その内容も元彼の子を身ごもってるとか復讐に来たとか、結構誰でも考えそうなよくあるやつ。まあ大した映画じゃないが、最後まで普通に観れる。ただオチが…

サイレント・ウェイ

監督:アントニオ・トラショラスなにこの三流スリラー。随分と中身のないシチュエーションスリラーだなーと思ったら、突然映画が別のジャンルに変貌する。前半と後半が全く異なる趣向の「フロムダスクティルドーン」を思い出した。良かったのはオープニング…

ストロベリーナイト

監督:佐藤祐市TVドラマ観てないので、この映画版はちっとも楽しめなかった。まあファン向けの作品だしね。てゆうか何度も睡魔に襲われて、内容が全然入ってこない。。。そもそも中身も酷いが、竹内結子の演技がどうもしっくりこない。妙に粋がってるし、…

一人息子

監督:小津安二郎小津安二郎、最初のトーキー作品。最初、時間が13年経過したことに気付かず、冒頭のお母さんとお婆さんとが同一人物だと思わなく困った。それぐらい飯田蝶子の演技が良かったということなんだろうが。母親の子供に対する期待がやや大きす…

砂漠でサーモン・フィッシング

監督:ラッセ・ハルストレムハルストレムは好きな監督だが、これはイマイチ乗れなかった。イエメンの砂漠で鮭釣りという公共事業がどうもわくわくしない。なんか地味なんだよね。終盤のダム決壊という展開もいただけない。また恋愛映画みたいにしてしまった…

キャプテン・フィリップス

監督:ポール・グリーングラス今や実録ものの第一人者と言いたいポール・グリーングラスなので、その緊張感の上げ方なんかは流石の域。いつものドキュメンタリー風なカメラや音楽の入れ方なんかは本当に上手く、ソマリア海域人質事件という題材的にも彼の作…

長屋紳士録

監督:小津安二郎戦後の日本の風景がここにある。下町の中で、一生懸命生きている日本人の姿が、しみじみと綴られている。貧しくても、そう感じさせない庶民の優しさやプライドが感じられた。この映画は日本版「キッド」といったとこか。嫌々引き取った子供…