一人息子

監督:小津安二郎

小津安二郎、最初のトーキー作品。最初、時間が13年経過したことに気付かず、冒頭のお母さんとお婆さんとが同一人物だと思わなく困った。それぐらい飯田蝶子の演技が良かったということなんだろうが。母親の子供に対する期待がやや大きすぎて、観ていてちょっと気の毒に感じた。最後は息子の人情を知って、安心したとはいえねえ。まあこれも親の子を思う愛情なのだろうか。小津映画にしては情感の深みがさほどなかった。