晩春

監督:小津安二郎

父と娘の親子愛にしみじみ。二人暮らしの親子の、結婚への迷いから結婚までのやりとりを温かく、そしていかにも日本的な心情で描写。笠智衆原節子の黄金コンビで、嫁ぐ娘と父という普遍的テーマだが、シンプルに味わい深く見せる。二人で生きてきたからこその、お互いの思いやりの心に愛情がのぞく。しかし原節子の”嫌よ”という言葉に物凄い刺を感じる。。。終盤の居酒屋のシーンがいい。おでこにキスされる笠智衆がかわいらしかった。その後ひとりとぼとぼ家路につくとこも、笠智衆の寂しさがにじみ出ていて、素晴らしいラストシーンでした。