彼岸花

監督:小津安二郎

小津安二郎、初カラー作品。まあやってることはいつもの家族と結婚。正直ワンパターンだなあと思ったけど、最後にはしみじみさせるんだから、流石小津といったとこか。やっぱりモノクロの方が味があっていいなあとは思ったが、この温かみのあるカラーも悪くない。全体的にユーモアが効いているのがいい。飲み屋の部下だったり、山本富士子のトリックだったり、佐分利信田中絹代の電話での会話だったり。妹の桑野みゆきもかわいかった。結婚式という大事なとこを見せない演出もいい。父の矛盾した不器用な愛情は、まさに日本の古き良き父親像である。