2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

三文役者

監督:新藤兼人 殿山泰司の伝記。なぜこの名バイプレイヤーに焦点を当てたのか。伝記というよりは新藤監督の個人的感情で作ったような側面を感じる。竹中直人は似てないけど喋り方などで本人に近づけていた。回想で中学生もやってたけど、それさすがに無理あ…

修羅

監督:松本俊夫 撮影や編集が独特で、この時代では新しさを感じる。まあ復讐物なんだけど、ねちっこくてそれでいて練られている。モノクロの映像美と舞台劇のような映画。中村賀津雄と三条泰子と唐十郎の三者の紆余曲折の地獄巡り。ちょっと長さを感じたし、…

真昼の暗黒

監督:今井正 実際の事件(八海事件)をベースにしている。冤罪事件で警察の横暴が描かれている。一番問題なのは警察は間違えられないという幻想だ。警察だって間違える。しかし起訴したら必ず有罪にしなければいけないような空気がある。間違えてもそのまま…

最低

監督:今泉力哉 まあ面白いっちゃ面白いけど、やってることはいつもと変わらない。男女関係のもつれとか四角関係とか複雑に絡めるのはいつものパターン。盗撮とかもなんかどっかで見たような感じ。芹澤興人がこんなモテモテ男なのは中々ないのでは。あの中で…

鬼婆

監督:新藤兼人 いやあ凄い。なんかむき出しの映画だった。ほぼ3人だけの映画だけど、そのパワーが原始的でそれでいて話も練られている。モノクロの映像と草原に覆われた島での人間の欲のぶつかり合い。乙羽信子が鬼婆だった。普通に裸でうろついている。佐…

ミッドナイト

監督:三池崇史 原作は手塚治虫。全編iPhone 15 Proで撮影した20分弱の短編。まあまあ。自己紹介程度の序章って感じ。短編なのでエピソードがひとつしかないからこれだけじゃなんとも言えない感ある。iPhoneって言っても結構がっつり撮影してた。改造車が…

デッド・アンド・アライブ

監督:ロブ・グラント 散々引っ張ってこの内容かよ。大したオチもなく、30分ぐらいで終わる話を90分もかけるなよ。原題は「ALIVE」だが、これなら「フランケンシュタイン夫婦」の方がインパクトはある。ネタバレだが大したネタでもないので。。。

遺灰は語る

監督:パオロ・タヴィアーニ 懐かしいなあタヴィアーニ兄弟。先日亡くなったので、これが遺作ということだろう。ノーベル賞作家ルイジ・ピランデルロの遺灰を故郷シチリアに運ぶ旅。道中でのいろんなトラブルありだけど、どこか温かみがあった。そしてモノク…

微温

監督:今泉力哉 2007年の短編。今泉初期の作品だが、スタイルは確立している。二組の二股カップルの会話劇。すれ違いコントのような感じで、今でもこんな感じの作品を作っている。常連の芹澤興人がこの頃から出てたんだね。彼は盟友ってことなんだろうな。や…

魔像

監督:大曾根辰夫 魔像ってタイトルが興味を引いた。魔像ってなんだよと思ったら、まあ瓜二つの人間ってことね。序盤阪妻がイジメを受け、その時突然笑い出すシーンがあるのだが、あの豹変ぶりがかなりびっくりした。まあこの手のそっくりさん的映画は「デー…

花と沼

監督:城定秀夫 最近はまともな監督に変貌を遂げたが、まだこんな下らない映画を撮ってた頃の城定映画。といっても2020年と最近の映画だけど。まあこういうの撮るのが城定の良さでもあるわけだが。基本登場人物たちみんな変。あのキモイ上司は城定自身の…

千曲川絶唱

監督:豊田四郎 うーん悪くはない。だけど長く感じた。90分ぐらいなら尚良かったのだが。難病物だけで押し通せばよかったのだが、そこに純愛を入れてダラダラ長くしてしまい、やや退屈に感じた。北大路欣也は野性的で病気には見えないぐらい。星由里子が好…

藍宇(ランユー) 情熱の嵐

監督:スタンリー・クワン ゲイ映画。2人の男の10年間の愛の軌跡。ゲイで香港映画といえば「ブエノスアイレス」があったなあ。まああまり好みの映画ではないが、2001年という時代の中国を映しているのかも。この映画の良さは短いこと。編集が大胆で違いを出…

希望のかけ橋

監督:吉田和泉 日本人の父とポーランド人の母の監督によるポーランド制作の短編アニメ。シベリアで飢餓や病気に苦しむポーランドの孤児が日本に逃れてきていたということをあまり知らなかったので、こういう事実をアニメで伝えるのは解りやすくていい。また…

歌行燈

監督:衣笠貞之助 原作泉鏡花。「うたあんどん」と読む。どこかおっとりした山本富士子はいまひとつパッとしない気もするが、市川雷蔵はいい。まあ言ってみれば父を死なせた男との恋ってことなんだけど、雷蔵の説得力ある演技でしっかりした文芸作品になった…

LOVE LIFE

監督:深田晃司 深田の気持ち悪さは出ていたと思う。息子がお風呂で溺死するわけだが、あのシーンの周りが気付かなくて時間だけが過ぎ、いやーな気味悪さがあり、ああこういう映画になるんだと不安の幕が開ける。元旦那が韓国人で喋れないで手話だけという設…

遠いところ

監督:工藤将亮 不幸不幸不幸。不幸すぎて気が滅入る。ダルデンヌ兄弟でもやりたいのか。沖縄の17歳の母親の物語。その年で子供を産んではいかんよ。旦那がクズすぎてもう地獄でしかない。そもそも暴力を振るう男なんてさっさと離婚すればいいのに。このろく…

ぐるりのこと。

監督:橋口亮輔 2008年の映画。約15年前なので脇役たちが皆出世してる。なのでキャストがすごい豪華です。そしてリリー・フランキーが役者として覚醒した作品と記憶。木村多江も大きく飛躍した。妊娠時の女性の不安定さや子を失ったことへの精神の崩れ…

インスペクション ここで生きる

監督:エレガンス・ブラットン 監督自身の実体験を基にしたドラマだそうだ。ゲイが海兵隊に行ったらって話。ゲイってことよりもアメリカの軍隊はまだこんなイジメみたいなことをやっているのか。鍛えるためとはいえ、イジメや差別が普通に行われている。この…

ロストケア

監督:前田哲 介護の問題なんだけど、結局は貧困が根本の原因なんだと思う。最初は長澤まさみの正論に同意という感じであったが、松山ケンイチの主張が段々正しいように思うから困った。答えはないし一つじゃない。ただやはり堕ちた人間にしか分からない部分…

少女は卒業しない

監督:中川駿 朝井リョウ原作。うんすごく良かった。卒業前の2日間の女子高生たちの群像劇。たった二日間だけだけど、皆悩み傷つきそれぞれが青春していた。新しい世界に踏み出す前の高校最後の瞬間がとても愛おしい時間であった。自分はどっちかというと図…

離愁

監督:ピエール・グラニエ=ドフェール 列車内での不倫。これ普通ならアウトだが、戦時中という状況だとメロドラマに変えてくれる。極限状態の時、戦友というかいっしょに逃げた者同士という状態がより燃え上がる。ジャン=ルイ・トランティニャンとロミー・…

黒い乙女Q

監督:佐藤佐吉 二部作の前編。わざわざ二部作にする必要あるのか。まあ後編観ないと評価し辛いが悪くはなかった。適度などんでん返しもあるし、いろいろな謎を残してこの後どういう展開になるのかは気にはなる。まあ多分あちゃーになるとは思うが。。。

ハイエナの笑顔

監督:シルヴィオ・アマディオ 70年代を感じさせる音楽。この「ちゅちゅちゅ」のBGMがクセになる。安っぽいサスペンスではあるのだが、娘が可愛いので許せる。中盤までは味気ない展開ではあるのだが、後半にかけて騙し合いの様相を呈して面白くなった。そ…

たくましき男たち

監督:ラオール・ウォルシュ 牛の大移動など一見スケールがデカいんだけど、ストーリーは平坦というか。片手間で観てたので、そこまで話が入ってこなかったってのもあるが。なんだかんだ道中いろいろあり、最後はロバート・ライアンに一杯食わされるが、その…

空気殺人~TOXIC~

監督:チョ・ヨンソン 韓国で実際にあった事件を基にしたサスペンス。ただ事件だけ借りて中身は完全にフィクションってことなんだろう。原因の特定までは面白かったが、事件が裁判に移るとあまり面白くなくなった。しかし映画化するということは、このまま悪…