離愁

監督:ピエール・グラニエ=ドフェール

列車内での不倫。これ普通ならアウトだが、戦時中という状況だとメロドラマに変えてくれる。極限状態の時、戦友というかいっしょに逃げた者同士という状態がより燃え上がる。ジャン=ルイ・トランティニャンロミー・シュナイダーというどっちかというと寡黙な役者だからか、その雰囲気だけで物語ってくれる。そしてラストシーンが素晴らしい。通常は知らぬふりをして去って終わりだろう。それでもいいのだが、これは最後に振り返る。この切なさ。く~ってなった。抑えていた感情が静かに爆発した至高の名シーンでした。