グラン・トリノ

監督:クリント・イーストウッド

これはアメリカ最後の男、そして最後のタフガイであるクリント・イーストウッドという男の生き様を描いた男気あふれる男の映画だ。前半はイーストウッド流のコメディで、終始しかめっ面の老人がいちいち言う暴言が可笑しい。タオやスーとの出会いが孤独な偏屈爺さんに何か生きがいを与える様を軽妙に描いていて、演じるイーストウッド自身もどこか楽しそうに見えた。そして映画の後半はある決断を迫られる。しかし彼に悔いは無いだろう。人生の最後に真の友に出会えたのだから。そしてラストの敵地に乗り込むところは西部劇のようなところがあり、イーストウッドの後世への遺言のように思えた。そしてエンドクレジットはいつもの様に深い余韻があり美しい。