ヒトラーのための虐殺会議

監督:マッティ・ゲショネック

ナチスの高官たちが集まってユダヤ人の大虐殺を決めた会議を映画化したもの。ほぼ会議だけの中身だが、こうやって決まったのか。この場にヒトラーはいなかったのね。高官たちが淡々とユダヤ人問題を話し合う。もはや感覚が麻痺しているのだろう。一千万人以上の人間を殺す話をしているのだから。人間性を見せる部分もあるのだが、どこか事務的で議長的な役割のハイドリヒには冷静で思慮深さをも感じさせる。こっちも麻痺しそうだ。混血だのどこまでがドイツ人なのかなど、結構具体的な選別方法なども決めている。面白かったといったら不謹慎な気もするが、映画としてはこういう事実があったという点で興味深いものがあった。