かぞくのくに

監督:ヤン・ヨンヒ

監督自身が在日朝鮮人だからか、その実体験というか何とも言えない切実な思いがひしひしと伝わった。なぜ息子ひとりで北朝鮮に行かせたのかなど、いまいち背景がわかりずらい部分もあったが、北の異常さというか理不尽さというか、ほんと変な国なのはよくわかる。考えては駄目、ただ従うだけ。どの国も昔はそうだった。でも、そういう思想をいつまで続けるんだろうかあの国は。もうどうにもならないって恐ろしい。ドキュメンタリー風な映像だからか、役者がまるで本人のようなリアルさがあり、100分程度の映画だけど、とても濃密で感情がゆさぶられ、とにかくいろいろなことを考えずにはいられない映画。安藤サクラは監督自身の投影であり、あの国大っ嫌いという台詞がすべてを物語る。