少年は残酷な弓を射る

監督:リン・ラムジー

この監督、なかなか実力ありそうだなあ。「エスター」系のホラーにもできたけど、そうはしなかった。核心は見せない、けど何かがあった。事件後の生活と子供の出産から幼年時代、そして少年時代へと回想させて、じわじわと真相に迫っていく構成はいい。子供がモンスターになる傾向は確かにあった。成長して、その悪の芽は静かに着実に実になっていった。勿論、母親も気付いてはいた。心のどこかで、怯えながら、何もしないでくれと祈っていたことだろう。しかし悲劇は起こった。幼年時代の悪意も恐いが、少年になったエズラ・ミラーの静かな恐怖にぞっとした。子供って本当に天使なのか。生まれながらに悪魔っているかもなど、いろいろ考えてしまった。