夜霧の恋人たち

監督:フランソワ・トリュフォー

なんか不思議な魅力を持った映画。トリュフォーの中では一番好きかも。主人公は職業を転々と変え、その中で深くエピソードを掘り下げるわけでもなく、流れに身を任せるように彷徨い、それがストーリーとして一見バラバラなんだけど奇跡的に上手くいっている不思議。しかしどのエピソードも妙に印象的なんだよな。靴屋の奥さんが立聞きするとこもいいし、そもそも自分が好かれているかっていう依頼内容のマヌケさが素晴らしい。恋愛映画でもあり、探偵映画としての面白さもあり、アントワーヌ・ドワネルという男の風来坊な日記である。