飢餓海峡

監督:内田吐夢

日本映画堂々の大作。3時間もあり見応えも十分。なんだか松本清張のような昭和の重厚なミステリー。前半の撮影も素晴らしく、今の日本映画でこれだけの撮影ができるんだろうか。年月が経ち、新聞に三國連太郎の写真が載ってから話が掘り起こされ、ミステリー映画としての面白さが発揮し出す。役者の演技が凄すぎる。三國連太郎の豪快だが怯えながら生きていた男、左幸子のかわいさと爆発力、伴淳三郎の味のある芝居、そして高倉健も若くパワフル。情念の芝居を堪能。だれも殺す必要なんてなかったのに、長年の疑心や誤解が生んだ悲劇。