暗黒街のふたり

監督:ジョゼ・ジョヴァンニ

このタイトルだとギャング映画のようだが全然違う。とても哀しい映画である。出所した元犯罪者が、足を洗ったのに昔の悪仲間に足を引っ張られるというパターンはよくあるが、これは警察につけ回されるという珍しいパターン。犯罪者の再犯率が高いのも分かるし、警察が疑う職業だということも分かるが、これではあんまりだ。アラン・ドロンの行き場の無い怒りが伝わり、社会復帰の難しさを描いた傑作である。理解者であるジャン・ギャバンの味のある演技も素晴らしく、アラン・ドロンとのコンビも相性いいね。無言に見つめる面会シーンも印象深い。淡々と遂行されるラストも衝撃的だ。