沈黙 -サイレンス-

監督:マーティン・スコセッシ

先日日本版を観たが、あっちも良かったがこっちもさすがスコセッシ。素晴らしい作品。ちゃんと日本映画していた。変な違和感なくこの世界に没入できた。キリスト教信仰の厚いスコセッシがなぜこの映画を撮ったのか。ある意味信仰を否定する部分もあるので、彼がなにを思ったのかが興味深い。映画での日本政府の主張は決して間違っていないと思う。価値観の押し付けはよくないということだ。宗教観の希薄な日本は私はとても正しい国の在り方だと思う。役者ではアンドリュー・ガーフィールドがとても良かった。いい俳優に成長したなあ。日本勢も健闘。イッセー尾形の怪演もいいが、浅野忠信の英語力に感心。渡辺謙でなくて正解だった。この作品の面白さはやはりフェレイラの存在であり、リーアム・ニーソンの静かな貫録も捨てがたい。丹波哲郎の意外性も好きだけどね。全体的に音楽が余りなく自然の音が中心。あえて音楽を少なく、エンドロールも静かで、音楽も沈黙した作りに余韻あり。