ヒューゴの不思議な発明

監督:マーティン・スコセッシ

スコセッシがファンタジーなんてと思ったが、これはスコセッシ少年の映画に対するラブレターであり、シネフィルで映画保存にも力を入れるスコセッシとしてはこの映画化はある意味自然な流れだったのかもしれない。いやーしかし冒頭のパリの街から駅の中へと駆け抜ける一連の流れるようなショットは圧巻。駅の構内を走りぬける主人公を追っていくカメラワークも凄いし、VFXの尋常ではない多さにスコセッシも歳を取っても尚貪欲さに恐れ入りました。また美術や音楽も相変わらずいい仕事してます。しかしジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」の月の目に大砲が刺さる画はインパクトあるなあ。そして哀しげな機械人形の存在も忘れてはいけない。まあとにかく映画先人たちへのオマージュはひしひしと伝わりました。