悪の階段

監督:鈴木英夫

和製フィルムノワールの佳作。強盗事件自体はあっさり成功するが、問題はお金を手に入れた後。当初の約束を破りだし、仲間同士で裏切りが始まり、自滅の道を突き進むバカな男たち。モノクロの撮影も効果的。山崎努加東大介もいいが、西村晃が存在感を発揮。そして忘れてはいけないファム・ファタールの存在。団令子がしたたかに好演。ありがちでシンプルだが、60年代の日本の犯罪映画も侮れないと、この映画の発見にうれしくなった。