フライト

監督:ロバート・ゼメキス

さほど興味は湧かなかったが、監督がゼメキスなので、これは観るしかない。前半の事故シーンなどは、さすがゼメキスの迫力なのだが、その後一切地味な話が続き、エンタメを排除した展開はゼメキスの成長とみるか物足りないとみるか。飛行機事故映画と思ったら、これはアルコール中毒映画であり、デンゼル版「失われた週末」であった。アルコールやドラッグ推奨のような映画のスタンスに疑問を覚えつつ、あまり楽しめない空気が続いたが、それも全て最後の告白である、この映画の力強いメッセージで打ち消された。人間の弱さやそれを乗り越える強さを地味にしみじみと訴えた佳作。ゼメキスの実写復活はうれしい。