キャプテン アブ・ラーイド

監督:アミン・マタルカ

とても珍しいヨルダン映画で、意外といってはアレだが、しっかりとした出来なのは監督がアメリカで映画製作を学んだからなのだろう。ちょっとした嘘による人情話から貧困や虐待などによる、ヨルダンの実状を絡めるあたり、中々達者なものは見せるが、やや前半と後半の落差が気になった。しかし主役のナディム・サワルハの優しい演技が子供達を包み込み、にじみ出る人柄が映画の核になっている。それゆえに、あの悲惨な結末は悲しく、これにはアメリカ映画の影響を少なからず感じた。