バッドタイム

監督:デヴィッド・エアー

今最も期待している監督の一人で、クライム映画の名手デヴィッド・エアーの初監督作。いやーこの主人公には1ミリも感情移入できないなあ。過去のトラウマはあれど、相当のイカレ野郎で、はっきりいって観ていて気持ちのいいものではない。しかし監督はそんなことお構いなしに、やさしさなど一切ない悪党の悪事と破滅を描き、ある意味媚びていない。大作などに出ると、正直存在感が薄くなるクリスチャン・ベイルだが、こういうイカレ野郎をやらせると、本来のあぶない個性が久しぶりに発揮されて、「アメリカン・サイコ」を思い出した。