突然の訪問者

監督:エリア・カザン

赤狩り共産主義者を糾弾していた時代。ハリウッドもその嵐に巻き込まれていた。その中で共産主義者の嫌疑がかけられたカザンは、これを否定するために、11人の共産主義の疑いがある者たちを売った。この映画は、赤狩りから約20年後の作品ではあるが、主人公のジェームズ・ウッズはまさに、エリア・カザン自身であり、ベトナム帰還兵の話ではあるが、赤狩りがメタファーとなっていることが想像でき、エリア・カザンの未だ消えない苦しみが見えた気がした。また低予算映画ではあるが、この映画をどうしても撮りたいという気迫が、何となく伝わった気がする。全編漂う緊迫感も凄まじい。ちなみにジェームズ・ウッズのデビュー作でもある。