シリアの花嫁

監督:エラン・リクリス

これから嫁ぐ花嫁に殆ど笑顔がない。イスラエルに占領されたゴラン高原の花嫁がシリアに嫁ぐ。シリアに嫁げば二度とゴラン高原には帰れないからだ。また花嫁だけでなく家族それぞれにも問題を抱えており、どれもがやはり政治や宗教に関係しており、生活の中に政治が色濃く反映する、そういう国なのである。まあそれでも結婚する花嫁の平凡は物語で終わると思いきや、終盤大きなドラマが待っていた。シリアとイスラエルの”境界”で起きる入国トラブル。これがまさに無国籍状態を見事に表しており、政治の犠牲になった彼らのもどかしさ、そしてどこの国でも変わらないお役所仕事にこっちまでイライラ。そしてようやく結婚できると思いきや。。。観終わった後、いろいろな事を考えさせられた。