青い鳥

監督:中西健二

”いじめ”という問題に真摯に向き合い、説教臭くなりそうな題材だが、そうならなかったのは変な押し付けがましさが無かったからだ。安易な解決策を示さず、生徒に考えさせる方法をとり、迷った時には静かに助言する、教えるということの本質をこの映画は教えてくれる。風のように現れ、風のように去って行ったこの臨時先生を阿部寛が熱演。吃音という設定が、この物語の重要なキーポイントになっている気がする。それゆえに阿部寛の話には、自然と耳を傾けてしまう静かな力強さを感じた。あまり好きな役者ではなかったが、阿部寛が初めていい役者に見えたよ。あまり多くを語らない先生が発する言葉の数々に重みというか説得力があり、多くの学生たちにこの映画を観てほしいと思った。それぐらい心に訴えかけるいいセリフがたくさんあった。