こわれゆく世界の中で

監督:アンソニー・ミンゲラ

何とも脈絡のないような話だが、文学小説のような作風にミンゲラの美意識が感じられ、ハリウッドに流されずに非常にヨーロッパ的な雰囲気の大人の映画になっている。幸せだが満たされず、孤独な大人たちがロンドンの街で彷徨う姿が印象的で、特にミンゲラとは「イングリッシュ・ペイシェント」で仕事をしたジュリエット・ビノシュが恋を忘れかけたような熟女を見事に演じて説得力がある。ただジュード・ロウのキャラクターはよくわからん男で、ただのプレイボーイにしか見えず、最後まで共感できなかったけどね。