君のためなら千回でも

監督:マーク・フォースター

人間の価値観や自尊心といったものは、国や環境、そして少年時代に形成され、それは何よりを重要であり、決して失ってはいけないことだ。そのテーマとなる前半の中東での少年時代の話はとてもいい。しかし少年時代に犯した罪を償うために過去と向き合った後半の展開は、どこか話を複雑にしすぎていて、もっとシンプルなものでよかったと思うのだが。また後半の逃走劇が何ともうそ臭く、あれで一気に白けてしまった。ただ少年時代のハッサンの表情や献身的な演技がとてもよかった。それと全編英語というバカなことをしなかっただけでも評価できる。