ショーシャンクの空に

監督:フランク・ダラボン

再見。もうこの映画何度見たことか。最初に観たときの感動は今でも忘れず、映画を観る喜びに満ち溢れた名作でオールタイムのベスト5に入る大好きな映画だ。「ミスト」を見た後なので改めて見てみた。何気ないシーンが重要な伏線になっていて、何一つ無駄なシーンがない。カメラのアングルも実に計算されていて、かなり綿密に構築されていることに改めて驚く。ストーリー展開が鮮やかでフランク・ダラボンのスマートで計算された演出にただただ感服。またこの映画の見逃せない所のひとつに、トーマス・ニューマンの音楽だ。やさしい旋律が、物語をより感動的に演出していて、この映画にトーマス・ニューマンを起用したことが名作に引き上げた大きな要因だと個人的には思っている。役者ではモーガン・フリーマンが素晴らしいのは言うまでも無いが、一番いいのはやっぱりティム・ロビンスだ。無口だが内には熱いものを秘めた男をT・ロビンスがひょうひょうと演じていて、アンディというどこかつかみ所の無いキャラクターを魅力的な男に仕上げている。最後まで希望を捨てなかった主人公が空白の20年間の落とし前をつけるラスト30分は何度見ても鳥肌が立つ。そしてラストの再会。抱き合う二人をロングショットで捕らえ、ズームアウトしていき広大な太平洋を写して幕切れ。なんとも美しく清々しく気持ちのいいラストシーンではないか。