ジェシー・ジェームズの暗殺

監督:アンドリュー・ドミニク

ストーリーに大きな一本の芯が無いため前半はかなりダラダラして退屈だ。ただこの映画は静と動の使い方が上手く、静かな物語の中に突然拳銃だったり感情だったりの爆発があるので、中盤からは集中力が途切れず中々面白くはなる。そしてこの映画の一番のハイライトはジェシー・ジェームズが殺される一連のシークエンス。絶妙な間と緊張感でこのシーンを観るだけで元は取れたとすら思える素晴らしいラスト。ただ殺された後のエピローグが長すぎるのがちょっと残念。ブラピはいつもよりはいいが、もう少し不気味さが欲しかった所。評判の割には大したこと無いと思ったケイシー・アフレックも終盤から良くなってきたかな。撮影も美しく雪と西部劇というのが「殺しが静かにやって来る」をなんとなく思い出した。