にごりえ

監督:今井正

原作樋口一葉。短編3つ「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」のオムニバス。50年代でこういう手法はめずらしいんじゃないか。明治時代の女性の小市民を描いたものであり、現代にも通じる女性の苦悩。生き辛さとか男尊女卑とか、まあ明治だしこんなもんでしょう。それでも力強く生きている。一番よかったのは2話目かな。タイトルにもなった3話目は出来はいいのかもしれんが、やや興味を失ってしまった。主役の女性たちもよかったが、脇の宮口精二杉村春子がやはり強力であった。