雄呂血

監督:二川文太郎

1925年、約100年前の映画。4Kデジタル修正版なので、こんな大昔の作品でも綺麗だった。当然サイレント映画である。日本もその時代にこれだけの作品が出ていたのに驚く。ラストの大立ち回りが有名で映画初期のチャンバラ映画として素晴らしいことは間違いないが、それよりも話の方が面白かった。正直者がバカを見るではないが、善意の行いが誤解を生み悪者にされる。それが延々と繰り返される。最後はせめて誤解が解かれ一件落着ならいいがそうはならない。ああ無情。主演は“バンツマ”こと阪東妻三郎。24歳と聞いてびっくり。30代ぐらいに見える。スタッフのほとんどが20代らしく、若いエネルギーに満ちた日本映画の夜明けである。