寝ても覚めても

監督:濱口竜介

観ていてどこに感情を持っていけばいいのか戸惑った。ただ結構引き込まれるものはあった。ある種ドッペルゲンガー物のような奇妙な味わいがあり、この手の話は割と好みである。東出昌大は決して上手いわけじゃないが、彼の宇宙人のようなどこかふわふわした個性が活きた。あのレストランでの二人が同時に遭遇した不気味さは、ちょっと黒沢清の映画のようだった。唐田えりかも清純さとどこか突き放した怖さが同居して、いい配役だったといえる。猫も好演。濱口竜介の今後にすごい期待が持てた。