愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン

監督:クロード・ベリ

これはこれで悪くはないのだが、やや不満がある。まずドパルデューの不在。彼が消えて明らかにパワーダウンした。そして物語が動き出すまでに時間がかかりすぎ。前半エマニュエル・ベアールを中心にしたため、彼女の美しさは出せても話は非常に退屈。全体的に長く、もっと短くてよかった。個人的にもっと過激なベアールの復讐話でもよかったが、それよりももっと辛い真実が待っていた。意外性はあったが、よく考えればこの手のオチはありがち。求めていたものと違ったが、これは運命のいたずらとも言うべき悲劇的結末。ただの悪徳爺だけかと思ったら、最後の最後で深い後悔の念に駆られるイヴ・モンタンの円熟の極みが見れる。音楽も素晴らしかった。切ないメロディが胸にしみる。