人間の條件 完結篇

監督:小林正樹

第5部と第6部。敗戦後もなお戦闘からソ連の捕虜、最後は脱走。壮大な大河ドラマではあったが、6部も作る必要があったかは疑問。4部ぐらいでも良かったような。全体を通して描かれているのは戦争の矛盾。常に悩み、正義感ゆえに対立、そして自分から困難な状況に落ちていく主人公。もっと楽に生きられたのに、それを選ばず自分に嘘をつかずに生きぬいた人生。全編通して仲代の演技は大作を引っ張るだけの力強いものだった。撮影当時24歳〜28歳と知り驚いた。20代には見えなかった。この若さでこの貫録とは今の役者は持ち合わせていない。今の20代の役者が非常にひ弱に思えた。