婦系図

監督:三隅研次

明治時代の悲恋映画。主人公は幼少時代スリだったが、ドイツ文学教授酒井にスリ失敗で捕まるがそれが縁で弟子として住ませてもらい立派な青年になる。そこから芸者との恋、彼を慕う酒井の娘、その娘と結婚を目論む友人など人間関係が複雑に絡み合い、自らの過去、身分の違いや出生の秘密などいろいろな要素がてんこ盛りで、今の時代でも通じる恋愛の駆け引きのようなものがあり、それぞれの心理描写も見事。万里昌代など女優陣も美しい。終盤ややお涙映画になってしまったのはちょっとつまらない。