風と共に去りぬ

監督:ヴィクター・フレミング

言わずと知れた映画史に残る不朽の名作。真っ赤な夕日、タラのテーマ、それだけで映画ファンを黙らせるだけのパワーと古き良きハリウッドへの憧れのようなものを感じさせる。4時間弱の堂々たる大河ドラマ。さすがに少々疲れた。前半の過酷な人生は面白いが、後半の金持ちパートがやや失速。やはり人間、不幸話が一番楽しいのかな。もっとベタな人物像かと思ったが、この映画、意外とひねくれている。スカーレットがヒロインとして魅力的かというとそうでもない。なんでこんなキャラにしているのか不思議に思うくらい、ヒロインのくせに親近感を抱かせない作りにしている。メラニーが聖母のようで余計対比がはっきりしている。またアシュレイに対する尋常ではない思いもしつこい。魅力を出しきれないヒロインという役だが、波乱万丈な人生を演じ切ったヴィヴィアン・リーの芯の強さは十分に表現していた。二人の黒人メイドも良かった。