サラの鍵

監督:ジル・パケ=ブランネール

ナチス占領下のフランスと現代を交互に描き、一人の少女が巡った運命を、多少ミステリー風味を利かして迫る。人に歴史あり。過去を掘り起こすことの傲慢さや身勝手さはあるが、そこに隠れていた真実を明かすことは、真実を知らずして生きるより幸せだと思った。必死に生き延びた先にある弟の姿を見た時の喪失感は、さぞ辛かっただろう。ラストの生まれてきた娘の名に涙。多言語を操るクリスティン・スコット・トーマスは当然のごとく良かった。またサラの育ての親のニエル・アレストリュプの顔がいいんだよな。