ガン・ファイター

監督:ロバート・アルドリッチ

正直どこか精彩に欠く西部劇ではあった。牛追いの中、男二人と母娘による四角関係のドラマは、ちょっと安めの恋愛程度のアルドリッチらしさのないものだった。しかし最後の最後で意表を突く急展開を見せ始め、そうきたかと唸る。4人それぞれの人間関係、恋愛感情が複雑に絡み合い混沌とし出す面白さ。そしてモヤモヤした何ともいえない感情を抱えながら最後の決闘へ。もはや勝負を放棄したようなカーク・ダグラスの決断が泣かせる。ただでは終わらせないアルドリッチの異色すぎる西部劇。気に入った。