悪魔の美しさ

監督:ルネ・クレール

ゲーテの戯曲「ファウスト」は知らないが、悪魔に魂を売った男ジェラール・フィリップと悪魔のミシェル・シモンの掛け合いが面白い。自分はコメディとして観たけど、人間の強欲さとか科学技術の発展が破滅を導くとか、そういう警鐘も見え隠れしていて脚本もかなり練られている。悪魔のくせに意外と非力で最後に人間は残酷だといって死んでいくミシェル・シモンに、本当の悪魔は人間自身の中にあると暗示しているようだ。この内容ならコメディとしてリメイクしても十分通用する。