33号車応答なし

監督:谷口千吉

なかなか上出来なミステリーで、まさに昭和の埋もれた傑作と呼びたい。50年代の昭和の風景や風俗は興味深い。中でも一番びっくりしたのは覚醒剤ヒロポン中毒者が普通に街中に大勢いたということ。子供が覚醒剤売ってるし、今の日本では考えられない風景がここにある。内容はフロスト警部のようなモジュラー型ミステリーで、意外に脚本がしっかりとしていて、ミステリーだけでなくその中で夫婦愛や家族愛なんかもさりげなく挿入していた。司葉子がとても可愛らしくて良かった。そしてなんといっても志村喬の味のある演技に参った。さすが日本のモーガンフリーマン。